研究概要 |
生育中の農作物は,異種,同種を問わず,栽培時の各種条件(気象状態,栽培場所,方法)の違いにより全く別の様相を示す場合が多い。本研究は,各種農作物が品種間・生物間・生育ステージ間の違いにより示す様々な情報を,人間の視覚と同等の可視光領域での色彩画像を元にして解析し,必要な時に他のデータと相互に関連付けて演算・解析が可能なリレーショナル・3次元フル・カラー画像データベース・システムの構築と,農作業に対する篤農家の栽培技術を習得し,人間の行う各種作業における情報の識別・判断方法に関する基礎データの収集と数値化を通して,データベースを構築する事を目的としている。 本年は基礎実験として,ホウレンソウを試料として用い,3-CCD方式のTVカメラとビデオデッキの組合せと,通常の35mm判のカメラを用いて,試料の真上並びに横方向(45度間隔で8方向から撮影)の画像データを収録した。なお,試料はターンテーブルに乗せて回転させた。 解析はカメラで撮影した画像を用い,各写真から葉のX-Y-Z座標の値を決定し,投影図形と実際の葉の寸法で葉の形状に関する値(葉面積,葉の周囲長,直径,葉の長さ,総葉面積,複雑度,占有率等)を求めた。これらのデータのうち,複雑度については日数の経過による変化がほとんど見られなかった。また,葉面積,葉の周囲長,葉の長さについては,今回のデータでは投影図と実寸との誤差は5%程度であったが,もっと大きくなる場合も見受けられた。
|