研究課題/領域番号 |
06670295
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
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研究分担者 |
長田 久美子 兵庫医科大学, 講師 (90068502)
津田 雅孝 山口大学, 医学部, 講師 (90172022)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / ウレアーゼ / サイクロデキストリン / 遺伝子破壊 / ヌードマウス / プロトンポンプ阻害剤 |
研究概要 |
1.Helicobacter pyloriの研究に有用なβ-サイクロデキストリン低血清培地を確立した。空胞化毒素の産生量は通常の血清培地と同レベルで、臨床分離株の培養にも用いられることが示された。 2.ウレアーゼ遺伝子ureBにKm耐性遺伝子を挿入したpHPT54をH.pylori CPY3401株およびHPK5株に電気穿孔法で導入し、Km(10ug)含有培地で発育するクローンを10ヶ単離したところ、すべてウレアーゼ陰性であった。 それぞれの1株HPT73とHPT67についてsouthern hybridizationを行い、ureB遺伝子にKm遺伝子が挿入されていることを確認した。 3.ヌードマウスにCPY3401とそのureB破壊株HPT73を胃内に投与し、感染の有無を調べた。1週、4週目にCPY3401は明らかに感染が認められたのに対し、HPT73は全く定着しなかった。これによりウレアーゼが感染に必須であることが証明された。 4.プロトンポンプ阻害剤LansoprazoleはH.pyloriの発育を抑制することが知られ、一方精製したH.pylori ureaseを特異的に阻害することが知られている。HPK5とそのureB破壊菌HPK67に対するLansoprozoleの発育阻害作用を調べた結果、MICが等しいことが示され、Lansoprazoleの発育阻害作用はウレアーゼ阻害作用と無関係であることが明らかとなった。
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