研究概要 |
L.pneumophilaがモルモットのマクロファージ(MΦ)内で増殖中に大量に産生する24kDタンパク質がレジオネラ属菌や他の菌種にどのように分布しているかをプローブを作製し、Southern hybridizationで検索した。その結果、L.pneumophilaのみが24kDタンパク質遺伝子を保有しており、serogroup1が15株中9株、他のserogroupは約10%が保有していた。他のレジオネラ属7菌種23株と結核菌、BCGは保有していなかった。 次にallelic exchange法により24kDタンパク質遺伝子を破壊した L.pneumophila変異株を作成し、病原性を調べた。その結果、変異株は親株と同様にモルモットMΦ内では増殖するが、モルモット致死量は親株の5-10倍となり変異株の病原性は低下していた。 24kDタンパク質が病原性の最も強いL.pneumophilaに多く分布していること、さらに本菌の病原性に関与していることを示唆するデータが本年度の研究により得られた。 また、MΦ内で増殖中の菌を材料とし、MΦ内で新たに産生されるタンパク質の機能を解析する本研究の過程において、申請者らは、L.pneumophilaはMΦに貪食されることで、耐熱性を獲得することを見いだしたので報告した(MICROBIOLOGY and IMMUNOLOGY,投稿中)。
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