研究課題/領域番号 |
06670925
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
田邉 正忠 香川医科大学, 医学部, 教授 (90033068)
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研究分担者 |
西山 佳宏 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50263900)
日野 一郎 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90173187)
川崎 幸子 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70138858)
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キーワード | ^<99m>Tc-GSA / 残存肝機能 / SPECT / 原発性肝癌 / 根治手術 |
研究概要 |
^<99m>Tc-GSAは、肝実質細胞膜に局在する糖タンパクreseptorと特異的に結合することによって取り込まれ、lysozomeで異化代謝される新しいreceptor-imaging agentである。これにより機能的肝実質細胞総量が推定でき、肝予備能の指標が求められると考えられている。私どもは^<99m>Tc-GSAを用い、家兎で肝dynamic SPECTを行い血液生化学的肝機能検査と比較検討した。その結果1)^<99m>Tc-GSAによるK1は血液肝機能指標と比べ鋭敏に肝機能変化を現していると考えられた。2)GSAのFv(肝機能体積)、V(肝集積等体積)はA/Gと最も強い相関が見られた。3)^<99m>Tc-GSA肝dynamic SPECTを行うことによりさらに正確な局所肝予備能を評価しうる可能性が示唆された。(日医放誌 54(10):1018-1029,1994)前述の家兎の実験により従来の私どもの^<99m>Tc-Sn-colloid法よりも^<99m>Tc-GSAが更に優れた局所肝機能の評価が可能であることが明らかとなったので、血液学的検査等従来の種々の評価法にて肝切除が行われる症例の術前にSPECT法による^<99m>Tc-GSA肝シンチを行い術後経過と対比した。すなわち^<99m>Tc-GSAシンチを行い術後経過と比較した。対象は肝切除が行われた6例で、右葉切除3例、拡大右葉切除2例、左葉切除1例、それらのFvは360-850cm^3(平均559.8±174.9cm^3)、K1は0.180-0.274(平均0.2±0.0)、残存肝機能体積率は0.34-0.54(平均0.4±0.1)であった。術後肝不全の発生はなく、全例順調な経過であった。今回の検討では残存肝機能体積率0.34以上は術後経過に問題なく、本法の臨床における有用性が明らかとなった。(INNERVISION 10(9):55-56,1995) 本法ではSEPCTを用いることから術前において、任意に肝切離線を設定できるため、肝切除術適応の重要な指標となりうる。従って術後肝不全の発症を予知することができうると考えられる。
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