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1994 年度 実績報告書

多孔質により蛋白膜形成および内皮化を促進させるA-Cバイパス用人工血管の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06671364
研究機関帝京大学

研究代表者

大越 隆文  帝京大学, 医学部, 講師 (50185237)

研究分担者 野一色 泰晴  横浜市立大学, 医学部, 講師 (60033263)
赤坂 忠義  帝京大学, 医学部, 教授 (70167815)
江郷 洋一  帝京大学, 医学部, 助教授 (10246035)
キーワードミクロ多孔質 / 小口径人工血管 / A-Cバイパス用人工血管 / ポリウレタン製人工血管 / 漏水率 / 内皮化
研究概要

内面構造と漏水率の異なったミクロ多孔質の管壁をもつ4種類のポリウレタン製人工血管(内径1.5mm)を作製した。それらをラットの腎動脈下、腹部大動脈に端々吻合で植え込み(長さ15-20mm)、開存性と内皮化を含む治癒性を検討した。内面が平滑かつ無孔で、漏水率0ml/cm_2/minの人工血管は全例急性期に閉塞した。内面が平滑であっても散在性の小孔があいており、漏水率11ml/cm_2/minを有する人工血管は満足すべき開存性を示したが、内皮化は不良であった。一方、漏水率39ml/cm_2/minを有し、かつ内面がミクロ多孔質の人工血管では、良好な開存性を示し、かつ1例を除く全例で内腔面全体に及ぶ内皮化が見られた。しかし、ミクロ多孔質の内面を有していても、漏水率が2.7ml/cm_2/minと小さい人工血管では開存性も内皮化も不良であった。以上より、開存性を獲得するためには、内面構造に関わりなく、漏水率をある一定レベル以上に設計することが重要であり、内皮化の向上には、内面は平滑よりもミクロ多孔質が優れていることを示した(1994年、日本胸部外科学会総会および1995年、The 5th International Symposium on Artificial Heart & Assist Devices発表)。
さらに、新たにミクロ多孔質の管壁をもつポリウレタン製の人工血管(内径1.5mm,漏水率100ml/cm_2/min以上)を作製し、これをラットの腹部大動脈に置換したところ、漏水率39ml/cm_2/minの人工血管よりも植え込み後内腔面の内皮化がさらに促進されることが示唆された。
これと同様の管壁構造をもつポリウレタン製人工血管(内径3-4mm)を犬の頸動脈および大腿動脈に植え込み、開存性、治癒性を評価をおこなっているところである。結果が良ければ、そのグラフトをcoronary positionに植え込み評価する実験に移行する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takafumi Okoshi: "New Concept of Microporous Structure in Small Diameter Vascular Prostheses" Artificial Organs. 19. 27-31 (1995)

  • [文献書誌] 大越 隆文: "人工血管の進歩" 外科診療. 37. 199-204 (1995)

  • [文献書誌] 大越 隆文他: "ポリエポキシ化合物処理生体弁の右心系および左心系における抗血栓性の検討" 人工臓器. 23. 133-136 (1994)

  • [文献書誌] 大越 隆文他: "クオリティ・オブ・ライフの向上を目指した.変性し難い柔軟な生体弁の開発-左心系における抗血栓性の評価-" 日本心臓血圧研究振興会 平成四・五年度研究業績集. 24-29 (1994)

  • [文献書誌] Yasuharu Noishiki et al: "Rapid Neointima Formation with Elastic Laminae Similar to the Natural Arterial Wall on an Adipose Tissue Fragmented vascular Prosthesis" ASAIO Journal. 40. 267-272 (1994)

  • [文献書誌] 野一色 泰晴 他: "自家組織細切片移植技術を用いたA-C Bypass用人工血管の開発-天然血管壁に近い構造をもつ新生内膜形成を目指して-" 日本心臓血圧研究振興会 平成四・五年度研究業績集. 1-8 (1994)

  • [文献書誌] Takafumi Okoshi et al: "Encyclopedia of Biomaterials and Bioengineering" Marcel Dekker,Inc., (1995)

  • [文献書誌] 大越 隆文 他: "Annual Review 循環器" 中外医学社, 298 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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