研究概要 |
12週齢の雄SDラットを以下の5群に分けそれぞれ薬剤投与を行った。実験開始後28週目に屠殺し、精巣を摘出した。造精機能障害の程度を定量的に評価するためImage cytometryにより3種類のploidy compartment(%1C,%2C,%4C)を測定した。なお統計学的検討には分散分析法を用いた。 1群;対照群 2群;LH-RH analogue投与群 3群:adriamycin(抗癌剤)投与群 4群;LH-RH analogueによる精細胞休止後にadriamycin投与群 5群;4群に人参養栄湯(漢方)投与を加えた群 【結果】(A)各群の%1C:平均値±標準偏差(%) 5群と1群、2群、とに有意差はなく、3群(P<0.05)4群(P<0.005)より大きかった。 1群;64.7±6.1 n=10 2群;68.0±5.0 n=10 3群;33.8±9.2 n=10 4群;46.9±15.0 n=10 5群;59.0±11.0 n=10 (B)各群の%2C;平均値±標準偏差(%) 5群と1群、2群とに有意差なく、3群(p<0.005)より有意に小さかった。 1群;17.9±5.6 n=10 2群;15.9±4.1 n=10 3群;43.9±16.3 n=10 4群;28.4±13.3 n=10 5群:21.0±14.0 n= (C)各群の%4C;平均値±標準偏差(%) 5群と各群とには有意差はなかった。 1群;5.8±2.5 n=10 2群;7.1±2.6 n=10 3群;5.0±4.4 n=10 4群;8.8±3.5 n=10 5群;6.0±4.0 n=10 【考察】5群は減数分裂の途上にある細胞の割合が4群に比べより1群(対照群)に近くLH-RH analogueによる精細胞休止に加えて人参養栄湯を飼料中に加えることによりadriamycinによる造精機能障害をより軽滅させうることがDNAのploidy compartmentの分析からも示唆された。
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