研究課題/領域番号 |
06671787
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽 尚文 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (90236133)
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研究分担者 |
高橋 徹 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10004590)
大井 龍司 東北大学, 医学部, 教授 (50004734)
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キーワード | 小児消化管壁内神経 / 組織の三次元的再構築 / Hirschsprung病 / Hirschsprung病類縁疾患 / Auerbach神経節細胞 / Auerbach神経束ネットワーク / 小児腸管壁内神経の発育 |
研究概要 |
今回の研究は小児腸管壁内神経形態を腸管壁内神経叢(Auerbach神経叢)の三次元的再構築によって解析さし、さらに正常な腸管壁内神経形態に基づいてHirschsprung病類縁疾患の診断基準を確立したい。平成6年度には下記の研究を行った。 【目的】胎児、新生児、乳児の小児各時期の腸管壁内神経、主としてAuerbach神経節細胞、Auerbach神経叢、Auerbach神経ネットワークを計測し、小児腸管壁内神経形態の一つパラメータとして正常な腸管神経形態及び神経発達過程を確立する。 【方法】流産例、剖検例または術中標本から得られた胎児20週から生後5才までの正常腸管12例について上部結腸、支部結腸、直腸の3ヶ所から連続組織標本切片を作製した。染色標本上でAuerbach神経節細胞面積、Auerbach神経叢面積ならびにAuerbach神経束ネットワークを求め、各時期の神経形態及び発達によるAuerbach神経叢の変移を検討した。 【結果】全例に上部結腸、下部結腸、直腸の3ヶ所ともAuerbach神経叢が確認され、Auerbach神経節細胞、神経叢、神経束ネットワークを計測することができた。出生時のAuerbach神経節細胞平均面積は胎児20週のAuerbach神経節細胞の1.2倍であり、腸桿壁内神経の発育を認めた。さらに出生後においてもAuerbach神経節細胞が次第に発育、増大し、1才以降はほぼ一定となった。一方、Auerbach神経束ネットワークは神経の発育と共に次第に綿密となるが、神経束の横断面積は縮小した。Auerbach神経束ネットワークの発育に1才以降になるとほぼ安定した。 【まとめ】今回の研究から小児腸管壁内神経は出生後も発育が続いており、1才以降は神経発育がほぼ安定することが判明した。
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