研究概要 |
1.研究の目的:本研究は、本学歯学部附属病院各診察室で従来から行っている気温、気湿、気流ならびに気菌(空中菌)濃度の測定に加え空気汚染のもう1つの指標である粉塵に着目し、自動微粒子測定器による粉塵測定を行い、粒度別に分類したデーターから病原性を示す粒度の粉塵の存在割合などについて分析し、気候環境因子、気菌濃度との関連性を検討することによって病院環境衛生管理の指針を得ることを目的としている。 測定場所ならびに方法:平成6年度は、大学附属病院内の中規模歯科診療室(矯正歯科,小児歯科)において各診療室内の3カ所を選び、高さ1mで1日3回測定を行った。測定項目は、気温,気湿、気流、在室人員、エアコン稼働数、気菌濃度(SY式pin hole Sampler法と落下法の併用)ならびに粉塵とし、分析に統計解析シリーズ(社会情報サービス社製パソコンソフト)を用いた。測定・分析は新谷,西田,総括を可児が行った。 3.結果ならびに今後の予定:中規模診療室の月平均気温は21.0〜27.0℃、気湿は31.3〜52.2%、気流は0.16 0.33m/secであり、在室人員は8.5〜19.1人、エアコンの稼働は6〜9月.12〜3月に認められた。気菌濃度の月平均はSY法では0.07〜0.36CFU/l,落下法では0.69〜3.14CFUであり、粉塵の月平均粒度別数は、0.3μ以上0.5μ未満は148239〜312232/l、0.5μ以上1μ以下は22338〜94059/l、1μ以上2μ未満は582〜4147/l、2μ以上5μ未満は109〜625/l、5μ以上は28〜194/lであった。気菌濃度と粉塵数の増減は類似し傾向を示し、いずれもエアコンの稼働していない月の在室人員の多い時に高い値が認められた。平成7年度はさらに大規模歯科診療室(保存科,補綴科)においても測定を行い、総合的に病院歯科診療室を把握したうえで気候環境因子と気菌濃度ならびに粉塵数との関係を分析したいと考えている。
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