研究概要 |
線形計画法を用いた2値分類の学習方法は人工ニューラルネットワークとも深く関連することが最近の研究で明らかになってきており、注目を集めている。しかし,従来の方法では問題によって人間の視覚判断からかけ離れた複雑な識別関数が得られることがあり,実用的な観点から汎化能力に問題があると考えられる.このような欠点を克服するものとして、本研究では多目的最適化の理論を用いることにより、人間の視覚判断により近く、より精度が高く、かつ効率的な分類学習の手法を提案した。この方法のもつもう一つの長所として、新しいデータが次々と加わってきたときにも追加学習が容易に行えるということがある。現在、認識率をさらに高めるために混合整数計画法(MIP)およびファジイ数理計画法の技法をとりいれることを試みている。 糖尿病大血管障害研究会で患者の登録のため作成している登録票を利用して、糖尿病患者の医療データを収集したが、データの入力ミスや欠損がかなりある。明らかなデータの入力ミスについては登録票との照合が必要で、現在対処している。また欠損値についてはそれを補償する方法を考察中である。既に当研究会に収集している医療データと新たに得られたデータを結合するため、またデータの統計解析に利用可能にするため、結合・変換ソフトウェアを開発した。
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