研究課題/領域番号 |
06807112
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
齋藤 洋一 大阪大学, 医学部, 助手 (20252661)
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研究分担者 |
岩田 博夫 京都大学, 生態医療工学研究センター, 助教授 (30160120)
大西 丘倫 大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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キーワード | 疼痛 / 異種移植 / ベータ・エンドルフィン / ポリマーカプセル |
研究概要 |
異種細胞を移植する際の免疫拒絶を克服する手段として、Agarose-polysty sulfonic acidカプセルに細胞を封入する方法や、ポリマーカプセルに細胞を封入する方法があり、我々は両者の方法を、疼痛治療に応用する可能性を検討した。 細胞をmicrocarrierに生着させてからAgarose-polystyrene sulfonic acidカプセルに封入すると、我々が使用した細胞は自らの増殖能によって、約1ケ月後にはカプセルを破壊してしまい、本法は不適であった。一方、ポリマーカプセル(AMICON Co)に細胞を封入すると、カプセル内腔を細胞が埋め尽くし、細胞塊の中心部が壊死になった状態で推移していた。 ポリマーカプセルに封入したAtT-20、Proopiomelanocortin遺伝子を導入したNeuro2Aをラット髄腔内に移植すると、各細胞胞株よりβ-endorphinが分泌され除痛効果が得られた。この方法を臨床応用するために、ポリマーカプセルに有窓シリコン外套を装着して、カプセルの挿入および除去を易しく、かつ確実にする方法を考えた。In vitroでは有窓シリコン外套を装着した状態でも、カプセル内細胞からのペプチド分泌は安定に保たれていたが、これをニホンザル髄腔内に移植して、1ケ月後に取り出してみると、細胞のviabilityは悪く、シリコン外套を装着することで封入細胞の新陳代謝が悪くなっている可能性が示唆された。今後、現在使用しているフィンガー構造のポリマーカプセルに代えて、スポンジ構造のカプセル等、カプセルの材質の検討を行っていく予定である。
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