• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

疼痛に対する異種オピエ-ト分泌腫瘍細胞封入カプセルの髄腔内移植による細胞療法

研究課題

研究課題/領域番号 06807112
研究機関大阪大学

研究代表者

齋藤 洋一  大阪大学, 医学部, 助手 (20252661)

研究分担者 岩田 博夫  京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (30160120)
大西 丘倫  大阪大学, 医学部, 助手 (70233210)
早川 徹  大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
キーワード疼痛 / 異種移植 / ベータ・エンドルフィン / ポリマーカプセル
研究概要

異種細胞を移植する際の免疫拒絶を克服する手段として、ポリマーカプセルに細胞を封入して移植する方法が注目されている。我々は、遺伝子導入によりオペエ-トとしては非常に強力なベータエンドルフィンを分泌するようにしたマウス神経芽細胞腫をカプセルに封入して、異種動物の疼痛治療に応用する可能性を検討している。
Pro-opiomelanocortin遺伝子を導入したNeuro2Aをポリマーカプセルに封入してラット髄腔内に移植すると、ベータエンドルフィンが髄腔内に分泌され宿主のラットに除痛効果が得られた。1ヶ月後にカプセルを取り出して細胞の生着を確認した。しかし、宿主動物をマウス細胞Neuro2Aにとってはdiscordantの関係にあるニホンザル髄腔内に移植してみると、ラットに植えたときと比べて細胞のviabilityは悪かった。この原因はconcordantでは作用しない自然抗体、補体がカプセルを透過して細胞を攻撃しているためと考えられた。そこでin vitroにおいてカプセル内にヒツジ感作赤血球を封入し、10%健常ヒト血清入り培養液中で24時間incubationし、溶血の有無を検討することで、補体の透過性を検討したところ、アミコン社のPM30とクラレ社の6305番のカプセルを二重構造にすることでほぼ完全に補体の侵入を抑えることができた。そこでこのカプセルを使い現在、ニホンザル髄腔内に移植してそのin vivoにおける有用性を検討中である。
この細胞療法の欠点としては、分泌オピエ-トの量をコントロールするのが困難であることだが、テトラサイクリンを投与することでdose dependentに転写をコントロールするシステムが開発され、このシステムを組み入れた遺伝子導入をすることによって、分泌されるオピエ-トの量を外的にコントロールできるよう、現在遺伝子組み換えを行っている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "Analgesia induced by transplantation of encapsulated tumor cells secreting β-endorphin" J Neurosurg. 82. 630-634 (1995)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "Cell therapy with encapsulated xenogeneic tumor cells secreting β-endorphin for treatment of peripheral pain" Cell Transplantation. 4(supplel). S13-17 (1995)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "Transplantation of the fetal olfactory placode restore reproductive cycles in female rhesus monkeys bearing lesions in the medial basal hypothalamus." Endocrinology. 136. 2760-2769 (1995)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "Analgesia induced by transplantation of encapsulated tumor cells secreting β-endorphin" Analgesic Digest. 2. 18-21 (1995)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "Protection of the ageing in endocrine organs with bifemelane hydrochloride" Rest Neurol Neurosci. (1996)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "The implant of Schwann cells facilitates the regeneration of crush-injured facial nerve." Rest Neurol Neurosci. (1996)

  • [文献書誌] Youichi Saitoh et al: "YEAR BOOK OF PAIN" Analgesia induced by transplantation of encapsulated tumor cells secreting β-endorphin, (1996)

  • [文献書誌] 齋藤洋一 他: "機能的脳神経外科" 末梢性疼痛に対する遺伝子導入β-endorphin産生細胞含有polymer capsule髄腔内移植, 7 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi