1.今年度は次のような研究活動を行った。 (1)本研究課題に関する先行研究を概観した。 (2)第1期アイゼンハワ-政権の外交・安全保障関連の公文書を、公刊されているアメリカ国務省編『米国外交文書集』や、アイゼンハワ-図書館所存の未公刊資料などから捜しだして読解した。 (3)同時の雑誌や新聞から本研究課題に関連する記事を検索して捜し、それらを読解した。 2.以上の研究活動の結果、今年度は次のような成果を得た。 (1)これまでの先行研究では、第1期アイゼンハワ-政権の大陸防衛政策をめぐる、同盟国間政治や国内政治がほどんど解明されていないことが、明らかになった。 (2)第1期アイゼンハワ-政権の大陸防衛政策は、同政権の国家安全保障政策全体の中で、従来考えられていたよりも大きな重要性をもっていた、という仮説が立てられる。 (3)奇襲攻撃の脅威への対応策を検討した「キリアン委員会」が1955年2月に大統領に提出した、いわゆる「キリアン報告」の策定過程に関する一次資料が、現段階ではまだ公開されていないことを知った。この資料未公開のために、本研究課題にとって重要な部分が十分に解明できずにいる。 (4)第1期アイゼンハワ-政権の大陸防衛政策に対する、西側同盟国の反応や同盟国間政治を解明するだけの資料を、今年度の研究活動においては十分に発見できなかった。 3.阪神大震災によって資料や研究ノートが散乱したために、研究成果の整理に遅れが生じている。
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