研究概要 |
1)バナナの主要貯蔵病原菌.Lasiodiplodia theobromae, Thielaviopsis paradoxa, Colletotrichum musaeおよびFitsarium verticillioidesについて対峙培養により、バナナ果樹などから分離した拮抗菌の効果を調べたところ、T.harzianum>P.oxalicum>C.pallescens>C.byssicola.の順に強いと考えられた。また、拮抗細菌についても同様に検討し70%以上の抑制を認めた。 2)拮抗菌について、rDNAのITS1と2およびB-tubulinの塩基配列による同定を行ったところ、T.saturnisporumと仮同定されていた菌がTrichoderma harzianumであること、Gliocladium roseumと同定されていた菌が、新分類法にも準じてC.byssicolaであることを確定した。関連菌の形態的同定のみならず、分子生物学的手法の導入の重要性を認めた。 3)SEMを利用し、拮抗菌の拮抗メカニズムを観察した。拮抗菌による病原菌への寄生などの様子を認めた。 4)2回の学会における口頭発表(日本植物病理学会およびマレーシアにおける東南アジア国際農学会)を行った。マレーシアでは、バナナ栽培と貯蔵病害の現状を関係者と討議し情報を収集した。
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