研究課題/領域番号 |
07041024
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 淳嗣 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30218002)
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研究分担者 |
VOON Phing マラヤ大学, 東南アジア研究科, 教授
泉田 英雄 豊橋科学技術大学, 建設工学科, 助教授 (70203057)
水島 司 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70126283)
加藤 剛 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60127066)
立本 成文 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50027588)
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キーワード | マレーシア / 文化生態 / 地方都市 / 多民族国家 / 都市化 / 産業化 / 都市農村関係 / 都市史 |
研究概要 |
多民族国家マレーシアは、マレー文化をその基底に持ちつつも、中国人をはじめ、インド人、ジャワ人など文化的・社会的背景の異なる様々な民族集団を受容してきた。これらの民族集団は、植民地期から近代国民国家形成へと至る全過程を通じて、地域行政や経済・文化活動などの中核的場所として、数多くの都市・町を発達させてきた。本研究では、マレーシア社会の形成過程における地方都市の役割を重視し、諸集団がこの特定の地理的空間において形成したきた「共同体」の形態と性格を、都市発達の各段階での多面的な相互接触のあり方や文化景観などとの関係において具体的に明らかにするために、専門分野の異なる研究者が、それぞれの事例地域において詳細な実態調査を行った。 加藤と水島は、それぞれ王都スリ・ムナンティとクアラ・カンサルにおいて、植民地期初期のマレー人の都市形成への関与とその後の展開を明らかにした。泉田は植民地期の都市形成に関する法規関係の資料収集を行い、永田は、ジョホール州の農村部から都市部への長期的な人口移動の趨勢を明らかにした。立本は観光都市ムラカ、川元とブーンは、プランテーション地帯に発達したクルアンとスレンバンをそれぞれ取り上げ、近年の経済開発に伴う社会的・文化的変容を解明した。杉本と村山(朝)は都市住民の増加に伴う教育の問題を国民統合と関連づけながら調査し、村山(祐)は、都市機能に着目して、マレーシアの国家的都市群システムの構造を描き出した。東マレーシアについては、祖田と山本が、半島マレーシアとは異なる地方都市発達のメカニズムを明らかにした。以上の各研究分担者の詳細な事例研究を基礎にして、多民族状況と国家政策の変化に焦点を当てた、マレーシア地方都市の「文化生態」モデル構築へ向けての見通しを得ることができた。
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