研究課題
国際学術研究
本研究は、研究代表者の堀川がウズベキスタン共和国科学アカデミー東洋学研究所に寄贈したヒヴァ・ハーン国関係の古文書約1700点を整理・研究し、その目録を作成することと、ウズベク諸ハーン国に係わる古文書や文献を調査・研究することを主要な目的として計画された。3年に亙る研究によって、以下の成果を得た。1.第一の目的に関しては、この間に古文書の整理・分類・解説目録の原稿作成作業を終え、予定通り平成9年度末に、「19世紀〜20世紀初頭ヒヴァのカ-ディー文書目録」と題するロシア語草稿を部内資料として完成させた。そして、平成10年度に草稿の校正と註・索引・序文の作成および日本語版原稿の作成を行い、平成11年度にロシア語・日本語両版の目録刊行をめざす協定書が、京都外国語大学と東洋学研究所との間で取り交された。2.第二の目的に関しては、ウズベキスタン共和国・トルコ共和国・ロシア連邦・カザフスタン共和国・トルクメニスタン共和国・イラン=イスラム共和国において、主として、ペルシア語・トルコ語の古文書、年代記・地理書と聖者伝の写本、19世紀〜20世紀の初頭の新聞・出版物、墓誌や銘文の調査・研究を行い、その一部はマイクロ・フィルム等で研究資料として収集した。これらは、調査の過程で生の古文書や写本に接した体験とともに、メンバー各自の個別研究に生かされている。3.その他、各国研究者との学術交流を行えたことも大きな成果であった。とくに、ウズベキスタンの研究者とは相互訪問や共同作業を通して親しく意見を交換し、彼国に蓄積された研究成果を吸収して、わが国の学界に紹介することができた。毎年、彼らの訪日に合わせて京都と東京で開催した講演会および研究会によって、我が国研究者との交流が進展したことも本研究の成果といえる。
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