研究分担者 |
CYBULSKY Myr ハーバード大学, 医学部, 講師
CHAIT Alan ワシントン州立大学, 医学部, 教授
GIMBRONE Mic ハーバード大学, 医学部, 教授
石井 賢二 京都大学, 医学研究科, 助手 (00212811)
久米 典昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (20252455)
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20252447)
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研究概要 |
我々が見い出した酸化LDLの動脈硬化作用につき、その成分であるリゾフォスファチジルコリン(Lyso‐PC)に焦点を当てて、血管内皮細胞、マクロファージ、Tリンパ球における接着分子、平滑筋細胞増殖因子の発現、さらにTリンパ球に対しては、INF‐γ、IL‐2受容体の発現様式などをin vitroの系で検討した。血管内皮細胞におけるLyso‐PCの作用については、接着分子ICAM‐1、VCAM‐1の遺伝子発現が、また増殖因子HB‐EGF、PDGF‐A,B鎖の遺伝子発現誘導を惹起することを見い出した。さらにICAM‐1、PDGF‐B鎖については、細胞内情報伝達経路を含めて検討中であるが、両者ともPKCの経路と関係なく、cAMPにより抑制される経路を介してLyso‐PCの情報が伝わることが、さらにPDGF‐B鎖については、新たなる蛋白合成を介して遺伝子発現が惹起されることを見い出し、その詳細を検討中である。またコレステロール食、遺伝性高コレステロール血症家兎(WHHL)において、接着分子(Athero ELAM,P selectin)、マクロファージ、Tリンパ球の出現をin vivoで経時点に免疫染色法により検討を行っているが、まずAthero ELAM、P selectinが出現し、マクロファージか、引き続きTリンパ球の出現が認められた。今回P selectinの動脈硬化巣での発現を観察できたのは、我々が最初である。今後さらにその詳細を検討予定であり当初の目的は達成することができ、平成7年11月AHAで発表し、ボストンでGimbrone博士とさらに平成8年度の研究打合せを行うことができた。Chait博士らとも、AHAで話し合い、アポタンパクE、リパーゼの研究を進め方を討論できた。
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