研究概要 |
1.N2-(N,N-ジメチルアミノメチレン)-3-(p-置換フェネチル)-ビオプテリンの6位ビシナルジオールの選択的グリコシル化反応の改良:(1)1'および2'-O-β-D-グリコピラノシル誘導体の合成。上記のN2,N3-保護-ビオプテリンを1',2'-O-ビス(トリメチルシリル)誘導体とした後,ジクロロメタン中で塩化スズ(IV)または銀トリフレート存在下,2,3,4,6-テトラ-O-アセチル(またはベンゾイル)-1-ブロモ-α-D-グリコピラノースと反応させることにより,対応する1'-O-および2'-O-β-D-グルコシル体,あるいはグルコシルドナーを3等量程度用いると1',2'-ジ-O-グルコシル体が副生成物として得られる。これらの生成物の得られる最適条件を詳細に検討し,グルコシル化反応の経路の確立がなされた。さらにこれらのグルコシル体の脱保護化反応も詳細に検討し,ビオプテリン-1'-および2'-O-モノ-さらには1',2'-O-ジ-β-D-グルコピラノシド収率が向上した。(2)リミプテリンの合成。上記と同様な手法でジクロロメタン中で塩化スズ(IV)存在下,1,3,4,6-テトラ-O-アセチル-2-N-(N,N-フタロイル)-β-D-グルコサミンを糖ドナーとしてグリコシル化を行い,2'-O-グリコシル体が比較的高収率で得られるようになった。リミプテリンへの一連の脱保護反応にも収率向上を見ることができた。 2.ビオプテリンおよびその誘導体のテトラヒドロ体合成の検討。ビオプテリン,N2,1',2'-O-トリアセチルビオプテリン,リミプテリン,2'-O-(β-D-リボフラノシル)ビオプテリンなどについて白金触媒化接触還元を行うと,5,6,7,8-テトラヒドロ体が主生成物として得られるが,6R/6S体の分離と生成比の決定を現在鋭意検討している。
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