研究課題/領域番号 |
07248103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坪内 和夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (30006283)
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研究分担者 |
廣瀬 全孝 広島大学, 工学部, 教授 (10034406)
大見 忠弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20016463)
谷口 研二 大阪大学, 工学部, 教授 (20192180)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1998
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キーワード | 酸化膜絶縁破壊 / 超並列画像処理 / 光配線 / セル化SS-CDMAシステム / parallel optical wiring / optical waveguide / wireless multimedia / SS-CDMA cellular system |
研究概要 |
本研究では21世紀の高度情報化社会における真の「頭脳と神経」を築く事を目的とした。 1.デバイスの微細化・高速化の追求 0.1μmチャネルMOSFETデバイス要素技術の研究開発を行った。微細MOSFET中での電子輸送現象を詳しく解析するモンテカルロ法とハイドロダイナミック法に基づくデバイスシミュレータの開発と改良を行うとともに、薄いゲート酸化膜の信頼性と浅いドーパント拡散技術を研究した。その結果、ゲート酸化膜の経時破壊の予測が可能になり、また拡散現象については結晶欠陥とドーパント不純物原子との相互作用を取り入れた物理モデルの提案に至った。これらは、集積回路のプロセス最適設計を行うモデルとしてT-CADシステムに組みこまれる予定である。 2.フレックスウェアシステム-しなやかで瞬時応答可能な知能集積システム-の開発 フレックスウェアシステムの実現を目指し、しなやかな電子回路を実現する高機能四端子デバイス技術、「大枠の判断」を可能にする特徴量プリプロセッサ技術の開発、および「無駄な演算の抑止」を可能にする上位桁先行演算処理、「柔軟な解釈」機能を実現するベクトル量子化プロセッサ、画像情報処理に最適化したコードブック空間情報処理を用いた画像認識技術を開発した。結果として、従来の汎用プロセッサに比べて2万倍以上の高性能となる1TOPS/W(=1,000GOPS/W,消費電力1Wで1兆回/秒の処理性能)の処理能力を、世界で初めて実現した。 3.光導波路によるチップ内・チップ間高速データ伝送と多ファンアウト並列処理LSIチップの開発 光配線高速画像認識チップを目標とし、光配線設計法の確立、および光配線形成法、発光・受光素子の集積化技術を開発した。具体的には、光配線高速並列処理画像認識チップ設計、2μmCMOSプロセスによる光入力型最小距離検出回路試作、および無欠陥分岐光導波路、LED剥離・搭載技術、グレーティングカプラなどの光配線高速画像認識チップ試作のための要素技術を確立し、LSIチップ内搭載用の微細光導波路の設計法および製作法を確立した。 4.チップ間・システム間高信頼ワイヤレス通信システムの開発 GHz帯ワイヤレスマルチメディア情報端末を用いたSS-CDMA(符号分割多重接続)無線通信システム構築を日指した。基地局から端末へのダウンリンク側では、基本的に低消費電力であるAIN/Al2O3フロントエンドSAWマッチトフィルタを受信機の相関器に用いたパケットSS-CDMA方式を開発した。各端末から基地局へのアップリンク側では、近似同期CDMA用符号を用い、開発してきたSAWコンボルバを相関器として用いたセル化SS-CDMAシステム(セル半径150m)を開発した。従来のCDMAシステム基地局ではパワーコントロールを用いており敷設コストが非常に高いのに対し、本研究で提案するシステムでは、パワーコントロールなしで運用でき、約1/100にコストダウンできる。 以上、21世紀の真の「頭脳と神経」を築く基盤技術を確立した。
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