研究課題
総合研究(A)
年度当初設定の平成7年度研究実施計画に従い、さらに実験計画を再点検し、実施に移した。すなわち、(1)上下左右長期逆転による実験的分析(1)自己・外界の知覚、行動変容の巨視的観察プロトコール分析。(2)テスト事態の計測分析(a)自己の知覚・認知-自己中心方位、自己体位(視的体位と触的体位、躯位・頭位・手位など)の位置感覚。(b)外界の知覚・認知-形態・空間方位の視的、視-触的、触的認知の変容過程、視野動揺とその補償安定化。(c)知覚運動協応と視野動揺-目・頭系、頭・躯系等の安定性、運動時の視野動揺とその方向。(d)生理心理的測度-前庭動眼反射(VOR)、輻輳・開散運動(vergence)の変容過程。(2)開眼被術者実験-先天性白内障開眼被術者の空間枠組の構造化(生成)過程の分析。(3)理論的問題の分析-8年度理論課題およびその再チェック。平成7年度は本総合研究(3ケ年実施)の初年度にあたり、当初計画・方法を再点検しつつ実施に移しているが、実験的分析・理論的討議ともに進行途中であり、現段階では、以下の指摘にとどめる。1.研究計画・方法等-上欄にも記した計画・方法(計測・分析の視点・方法)は概ね妥当かつ適切であった。2.技術上の問題-アミチ・ダハプリズム式180°回転鏡の設計・工作に相当の技術的困難があった。計画進捗がやや遅れた。3.理論的問題-近年、工学分野で取上げられているいわゆる仮想現実感やロボット・ビィジョンの問題に、本研究と重なる問題所在があることも視野に入れて論じる必要があることが指摘された。
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