研究課題/領域番号 |
07301014
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 東北芸術工科大学 |
研究代表者 |
松野 豊 東北芸術工科大学, 教養部, 教授 (70014678)
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研究分担者 |
佐々木 正晴 弘前学院大学, 文学部, 教授 (60178663)
小松 秀茂 いわき短期大学, 幼児教育科, 教授 (30162051)
八木 文雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (60124814)
森 英雄 山梨大学, 工学部, 教授 (40020383)
鳥居 修晃 聖心女子大学, 文学部, 教授 (50015012)
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キーワード | 視覚認知 / 形成実験的アプローチ / 工学的アプローチ / 先天盲開眼受術者 / 脳損傷者 / 知的障害者 / 弱視者 / 視覚機能制限事態 |
研究概要 |
本総合研究は、(1)脳損傷事例、先天盲開眼者、知的障害児(重症児も含む)、弱視者、人為的な視覚機能制限事態にある人を対象として、各事例の視覚認知機能及びそれを基礎とする諸行動の障害状況を明らかにし、障害状況に対して種々の実験的操作を加えて障害状況の改善を図ること、(2)経過を追跡する中で、障害状況の改善に有効な操作のうちで、一時的な状況改善に留まる操作と視覚認知機能の形成・再形成に真に必要な操作を峻別すること、(3)上記の対象者群に対する実験を通して得られた知見を自律移動ロボットなどの工学的シミュレーションに反映し、実用的ロボットの開発を目指すとともに、その結果についてのフィードバックを得ること、等を通じて視覚認知機能の形成機序を解明することを目的としている。 視覚認知機能の形成・再形成に必要な状況操作の検索、一時的な状況改善に留まる操作と視覚認知機能の形成・再形成に真に必要とされる操作の峻別には、比較的長期の時間を要するため、今年度は、対象事例別に構成された研究班ごとに資料の収集を進めることに重点を置いた。得られた知見の集約と総括は次年度に進めていく予定である。なお、脳損傷により視覚機能障害を生じた児童に対象事物の視覚的localizationを可能にさせる過程で触覚系が果たす役割、事物の構造を視覚的に把握し、それを再現・再構成することを促すために必要な操作、等に関していくつかの興味深い事実が得られている。 また、特に脳損傷事例や先天盲開眼者においては、損傷を受けた年齢期や開眼手術が行われた年齢期により、視覚認知機能の形勢・再形勢の過程やそのために必要な状況操作に違いが現れる可能性があることが、研究を進めるなかで見出されたが、この点については、検討方法等も含めて、次年度に議論することとした。
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