研究課題/領域番号 |
07301061
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱井 修 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00012360)
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研究分担者 |
中野 敏男 茨城大学, 教養部, 助教授 (10198161)
山田 忠彰 日本女子大学, 人間社会学部, 助教授 (10220386)
湯浅 弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (10230608)
佐藤 康邦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80012508)
関根 清三 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90179341)
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キーワード | ポリス / フォイエルバッハ / マルクス / 科学批判 / 空 / 龍樹 / 原始仏教 |
研究概要 |
本年度の研究課題は、 (1)古代ギリシャ・ローマの哲学・思想と和辻倫理学の関係の検討 (2)ヘーゲル、及びヘーゲル左派の哲学と和辻倫理学の関係の検討 (3)ニーチェ、キェルケゴールらの哲学と和辻倫理学の関係の検討 (4)和辻と同時代のヨーロッパの諸思想と和辻倫理学の関係の挨討 (5)西田、三木、九鬼以外の日本の近代思想と和辻倫理学の関係の検討 以上五点であったが、具体的な研究成果としては次のようなものが挙げられる。 (1)に関しては、研究分担者の三嶋らの研究によって、古代ギリシャのポリスに関する和辻の理解が和辻倫理学の形成に深く関与していることが明らかにされた。 (2)(3)に関しては、前年度来継続している和辻とフォイエルバッハ、マルクスとの関係に関する研究分担者の熊野らの研究によって、和辻の間柄概念とマルクスの交通概念の関係に関する更なる検討がなされた。 (4)に関連しては、研究分担者の佐藤靖邦らの研究によって、同時代のヨーロッパにおける現象学的な科学批判の和辻による受容の実相が明らかにされた。 (5)に関しては、研究協力者の李梨花が、和辻倫理学の核に仏教的な空の概念があることに着目し、その思想的源泉としての中国仏教の龍樹の空概念と和辻の空概念との詳細にわたる比較を行ったが、この研究成果は、和辻倫理学を問題にするとき日本、及び、西洋の思想との関連だけを問題にするのではなく、中国、ひいてはインドの原始仏教にまで視野を広げる必要があることを示唆した。
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