研究分担者 |
岡田 博有 九州大学, 理学部, 教授 (60037182)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 教授 (00126426)
増田 富士雄 京都大学, 理学部, 教授 (30091929)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 教授 (10113094)
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研究概要 |
本年度の研究の重要な成果の一つは,古生代後半から中生代末にかけての日本列島の砂岩試料の化学組成を系統的に集積する作業をおこなったことである.中生代の一部では既にデータがよく揃っているので,そこは除いて,約250個の試料が集められた.そして,信州大学理学部のXRF分析装置を利用し,パートタイムで分析作業の助手を雇用して,能率的な化学分析を進めた.その化学組成の分析はまだ全部は終わっていないが,年度末までに完了するように鋭意努力中である.このデータによって,古生代半ばから中生代末までのほぼ全時代について堆積場の違いを考慮しながら,従来から蓄積されてきたモード組成のデータと併せて,砂岩組成から日本列島の造構史を解明する基本的な枠組みが提供されものと考えられる.また.この系統的な分析とは別に,各研究者から依頼された砂岩の化学組成を分析する体制をつくり,合計で約300個のXRF分析をおこなって,データを蓄積した. 分担者のもとでは,解析された火成弧を起源とするタ-ビダイト砂岩における堆積学的な化学組成の分別作用,A1203/SiO2-Basicityダイアグラムによるニュージーランド諸帯の砂岩組成の再検討,CHIME年代測定法による造山帯の形成史の解析,ガ-ネットの化学組成に基づくフォッサマグナの第三紀における後背地の変遷,オーストラリアのニュウインドランド造山帯の砂岩組成,ペルム紀の背弧盆域における砂岩組成と造構作用の関連年度の研究集会とまとめの論文集作成にむけて,着実に研究成果が蓄積されつつある.また,その一部は本年度刊行された研究連絡誌第3号に既に載せられている.
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