研究分担者 |
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 教授 (00126426)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
増田 富士雄 京都大学, 理学部, 教授 (30091929)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 教授 (10113094)
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
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研究概要 |
本年度における大きな進展は,昨年度から進めてきたペルム紀からジュラ紀にかけての系統的な砂岩の化学分析が終了し,日本列島における砂岩組成の時代的な変遷が明確にされたことである.また,砕屑岩化学組成の水理学的な分別という視点から,白亜系蝦夷層群や古第三系音無川層群のタ-ビダイト砂岩が検討され,砂から泥へと粒度に対応した系統的な変化が確認されたが,砂質部分内での差異は大きくないので,造構場の識別ダイアグラム上での問題は少ないことも明らかになった.AL_2O_3/SiO_2-Basicity Index ダイアグラムについても原理的な検討がなされ,造構場の識別能力を高めた類似のダイアグラムが2種類提案された.ザクロ石や斜長石粒子の化学組成から,後背地を解明する研究も進んだ.特にザクロ石の組成を表すレーダーダイアグラムは今後の有用な発展が期待される.相対的に新期の地層を対照としては,高海水準期と低海水準期,および,海進期と海退期における砂岩組成の相違など,基礎的で重要な問題の解明もすすんだ.飛騨外縁帯および黒瀬川帯などの日本列島の基盤となる地帯の砂岩や砕屑粒子の組成の解明も行われた.ニュージーランド,オーストラリア東部,フィリッピンなどの砂岩についての分析も進められ,環太平洋変動帯の東側におけるデータの蓄積がすすんだ.砂岩データの有効活用を図るため,岩石組成のデータベース化を進めている西脇教授の教示を受けた.これらの研究成果は1997年12月に京都において開催された研究集会で発表され,また,研究連絡誌No.4に掲載された.
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