研究分担者 |
布山 喜章 都立大学, 理学部・生物, 教授 (20087133)
小熊 譲 筑波大学, 生物学, 教授 (90114074)
仁田坂 英二 九州大学, 理学部・生物, 助手 (60222189)
上野山 登久 神戸学院女子短期大学, 助教授 (00203464)
山元 大輔 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員
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研究概要 |
1.交尾前隔離の研究グループ D.melanogasterの交尾能力の低いミュータントsat(♂不能),spin(♀不能)を90-91と52Eにマップした.前者はfru(性行動異常)と同座で,性変更遺伝子traの下流にカスケードされた(山元).一方,低交尾能ミュータント♯933は性変更遺伝子tra2と,また♯1597はaop(致死)と,それぞれ,同座であった(仁田坂). D.simulansのS系統はD.melanogasterの♂と特異的に交尾力が高かったが,他の近縁の♂との交尾力は決して高くなかった(上野山). D.virilisの性フェロモンであるZ-(11)-pentacoseneの遺伝子分析の結果,第2染色体上(218座)の劣性遺伝子であった(小熊). 2.交尾後隔離の研究グループ D.melanogaster×D.simulans♂のF_1♂の致死を救済する遺伝子(Lhr)の救済機能を完全に抑制する染色体欠失領域が多数発見された.そのうちのある領域(57D-F)は別の救済遺伝子(Hmr)の機能をも抑制した(渡邊). D.simulans×D.melanogaster♂のF_1♂の致死を救済する遺伝子(Zhr)について,独自に開発したmini-染色体を用いて,X染色体上のヘテロクロマチン部位の詳細なマッピングを行った(山本). D.albomicans×D.nasuta♂のF_1♂由来の子(F_2)に性比の歪む(♂が減少する)現象について,それが精子形成時の異常(meiotic drive)であり,D.albomicansのX-3染色体がD.nasutaのY-3染色体をdriveした(布山). D.ananassae類の雑種不妊に関連して,♂のrecombinationにenhancer遺伝子(En(2)-ep)が関与し,enhanceされるhot region[Om(2C)〜Arc]を発見した(松田).
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