研究課題/領域番号 |
07308074
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅野 富夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (50009982)
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研究分担者 |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
熊倉 鴻之助 上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
藁科 彬 新潟大学, 医学部, 助教授 (50064580)
柳原 延章 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80140896)
中里 幸和 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (60001525)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | クロム親和細胞 / 細胞質カルシウムイオン濃度 / 細胞膜イオン透過性 / プロテインキナーゼC / 受容体 / G蛋白系 / 細胞内ナトリウムイオン濃度 / 膜融合 / クロモグラニンA |
研究概要 |
ラット副腎髄質細胞群の約60%では細胞質カルシウムイオン濃度(|Ca^<2+>|_c)に自発的にスパイク群が発生する。この自発性|Ca^<2+>|_cスパイク群はガンマーアミノ酪酸(GABA)によって抑制されることを報告した。このGABAの抑制効果はGABA_A受容体を介する細胞膜Cl透過性上昇に基づく過分極によって引き起こされることを確かめた(菅野)。培養ブタ副腎髄質細胞にNa^+蛍光指示薬であるSBFIを適用し、細胞内Na^+濃度測定のためのSBFI in vivo較正にはpalytoxinがgramicidinよりも適当であることを示した(中里)。副腎髄質からCa^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼIIの新しい内在性気質を分離した。その部分的ペプチドのアミノ酸配列を調べたところクロモグラニンA(分泌蛋白質)の配列と100%一致した。培養副腎髄質細胞を脱分極刺激すると細胞内のクロモグラニンAのリン酸化が増加した。この増加はカテコールアミン分泌の促進とよく相関していた(柳原)。ラット副腎髄質細胞をヒスタミンで刺激した時の細胞内情報伝達系はプロテインキナーゼC(PKC)の活性化を介するものであり、このPKC活性化による、刺激物質依存的な分泌応答修飾は、受容体/G蛋白系およびそれ以後の段階で起こることを示した(藁科)。クロム親和細胞からの開口分泌におけるシナプトタグミンC2A,C2Bドメインの役割について、C2A抗体及びC2B抗体、ならびにイノシトールポリリン酸(IHPS)を用いて解析を行った。IHPSのC2Bドメインへの結合は、静止時における自発性放出の抑制(クランプ)に働いており、刺激によって流入したCa^+がC2Aドメインに結合するとIHPSはC2Bドメインから解離して抑制が解除され、顆粒膜と細胞膜の融合が促進されるというシナプトタグミン・クランプ仮説を提唱した(熊倉)。ウシ副腎髄質のクロマフィン細胞を陰イオン色素(HPTS)を含む溶液に漬け共焦点型レーザー顕微鏡によって観察した。単一顆粒の開口放出に伴って時に生ずる大型の液胞構造は細胞膜の陥没によって生じたものであることがわかった(寺川)。
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