研究課題/領域番号 |
07404004
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井川 満 大阪大学, 理学部, 教授 (80028191)
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研究分担者 |
磯崎 洋 大阪大学, 理学部, 助教授 (90111913)
藤木 明 大阪大学, 理学部, 教授 (80027383)
松村 昭孝 大阪大学, 理学部, 教授 (60115938)
坂根 由昌 大阪大学, 理学部, 教授 (00089872)
小谷 真一 大阪大学, 理学部, 教授 (10025463)
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キーワード | 散乱 / 逆問題 / 数値解析 / グラフィク / 正則化 / 非適切問題 / ランダム媒質 |
研究概要 |
散乱理論の逆問題は、数学の理論の観点から見て、新しく興味深い分野である。それとともに、問題の起源自身が示すように、工学の諸問題とも深く関連している。この問題の難しさは、ほとんど全ての逆問題は非適切である、ということから来ている。問題が非適切であると、観測データのわずかの誤差の影響が、求むべき答えの中にはいくらでも大きく倍増されて現れてくる。観測を精密にすることが、直ちに求むべき答えをより正確にするとは言えないわけである。 我々は、この問題を数学の理論的面よりの研究は、数学に新しい分野をもたらすものと確信している。そして、この問題の性格として、我々は理論的研究とともに、上にも記したように、工学にとっても意味を持つような研究を目指している。すなわち、非適切問題の具体例にたいし、具体的に解を求めることを課題としている。ここで、先に注意した非適切問題の特性の克服が立ちはだかるが、このために正則化を経由して考察しなければならない。正則化の度合いが適当かどうかを判定するには、数値解析的取り扱いが必要になる。また、その数値解析の分析結果、をグラフィックとして表示することは実用上大切なことである。 このために、我々は、数値解析とグラフィックに適合した計算システムを構築している。これを用いた具体例の計算実験をとうして、非適切問題の正則化の理論的進展をはかる予定である。研究計画書にも記してあるように、今年度は、この計算システムの構築が中心的仕事となった。この問題と深い関連の問題としてランダムな媒質の散乱問題も日常的問題として深く関係している。この問題は目下理論面よりの研究を中心に行っている。 来年度は、今年度行った準備を基に、数値実験とそのグラフィック表示を通じて、新しい理論の展開に向かう予定である。
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