研究分担者 |
吉田 伸生 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40240303)
梅田 亨 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00176728)
野村 隆昭 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30135511)
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00127234)
谷口 雅彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
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研究概要 |
偶然現象の数学モデルである確率過程,格子スピン系,力学系等の問題,および関連する調和解析の問題を種々の角度から研究した。主な成果は次の通りである。 1.渡辺は,分枝拡散過程の巨視的極限として得られる測度値分枝過程(super process,又はDawson-Watanabeモデル)について,Brownian snakeと呼ばれるpath-空間に値をとる拡散過程を用いてその構成,およびその構造の解明を行った。これはF,Le Gellの研究をより一般の場合で考察したものである。 2.重川は,2つのマルコフ半群に関する比較定理について,その十分条件を研究し,それのSquare-field operatorによる定式化を与え,それをpath space上の微分形式の空間に作用する無限次元Hodqe-Kodaira型作用素の問題に応用した。 3.谷口は,整関数の力学系の変形理論を,Teichmuller空間論の立場から構築した。 4.野村は,コンパクト・リー群U(n)の重複度フリーな作用に関連したBerezin変換の研究を一般論から具体例について行った。 5.梅田は,不変微分作用素,特にdual pairとそれに付随するCapelli恒等式,および古典Lie環の普遍包絡環の中心の具体的記述について研究し,これらに関する2年前からの懸案の予想を解決した。 吉田は,格子スピン系について,Dobrushin-Shlosman条件と呼ばれる極めて強い混合条件が,一見かなり弱く見える混合条件と実は同値であることを示した。また確率Ising模型やφ^4-格子場模型に対し、相転移領域の外での平衡状態への収束速度は系の大きさに無関係な下限を持つことを示した。
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