研究課題/領域番号 |
07404009
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
|
研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
|
研究分担者 |
三好 真 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (50270450)
柴田 克典 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (60222030)
亀谷 収 国立天文台, 水沢観測センター, 助手 (70202025)
原 忠徳 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (60000171)
河野 宣之 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (10186116)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
キーワード | メーサー源 / 相対VLBI法 / 高速スイッチング法 / 年周視差 / VERA計画 / 星生成 / 大気位相補償 / 国内VLBI網 |
研究概要 |
本研究により、計画中のVERA(VLBI Exploration of Radio Astrometry:天文広域精測望遠鏡)を用いた銀河系内高精度天体位置計測の有効性を明らかに示す以下のような成果を得た。 1.基準電波源の探査 既存の電波源カタログに基づく統計と実際の観測をもとに、ほぼすべての天体メーザー源の周辺2度以内に、充分な明るさを持つコンパクトな基準電波源候補が平均1個以上見つかることを示した。 2.天体メーザー源の物理 国内VLBI観測網により、晩期型星周辺の水メーザー源の中に、千km級の長基線でも分解されず、寿命も半年以上ある、VLBI位置計測に適した成分があることを明らかにした。また、メーザー源の視線速度の時間変化(加速)をはじめてとらえた。オリオンKL星生成領域の水メーザー源の中に、高速ジェットに付随するものと思われる、双極分子流の対称軸に沿って直線状に並ぶ成分を発見した。 3.天体メーザー源位置計測の試行 国内VLBI観測網を用いて行ったスイッチング方式による22GHz帯相対VLBI観測で、クェーサー同士の相関位相差の検出に成功した。 4.大気位相揺ぎの補償法 野辺山ミリ波干渉計を用いた実験及びモデルシミュレーションにより、相対VLBIによる位相補償並びに高精度天体位置計測が可能であることを示した。また、高速スイッチング法による相対VLBIの、22ないし43GHz帯での有効性とより高い周波数帯での限界を示した。 5.相対VLBIによる天体位置計測の精度推定 年周視差の決定精度に関するシミュレーションを行い、点状電波源で、比較的大気の条件が良い場合には、10マイクロ秒角を切る精度が得られることを明らかにした。
|