研究課題/領域番号 |
07407044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小山 省三 信州大学, 医学部・生理学第二, 教授 (00115346)
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研究分担者 |
寺田 信幸 山梨医科大学, 生理生化学, 助教授 (90155466)
山口 芳裕 信州大学医学部, 生理学第二, 助手 (10210379)
羽二生 久夫 信州大学医学部, 生理学第二, 助手 (30252050)
宮原 隆成 信州大学医学部, 生理学第二, 助手 (70281037)
芝本 利重 信州大学医学部, 生理学第二, 助教授 (90178921)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | エンドトキシン / 薬剤耐性黄色ブドウ球菌 / 循環ショック / 血圧 / 自律神経 / 培養液組成 / 死滅形態 |
研究概要 |
本研究では大腸菌エンドトキシンが従来から考えられていたような出血によるショックとはその生理学的反応様式が異なること、その作用機序として中枢抑制作用の可能性を提案した現在までの我々の実験成績を総括するとともに、重症難病性感染症の起因株の一つとして薬剤耐性黄色ブドウ球菌が敗血症性循環ショック状態を引き起こす生理学的反応様式を検討した。研究には、ヒト血液由来(敗血症患者)のMRSA株を用いて、循環系反応、自律神経系反応、血球系反応を指標にして、グラム陰性菌である大腸菌による循環ショック時の生理学的反応と相違があるのか否かについて検討した。兎に対して15株のうち3株に著しい循環系反応を誘発することができた。特にSCK82株では約90mmHgの最大血圧下降が認めら、白血球数と血小板数は減少した。しかし、このような生理学的な変動に対して、従来から細菌学的になされている検査分類とは、何らの相関関係を認めることが出来なかった。また、それぞれのDNAにおいても特徴とすべき分子量バンドを指摘することができなかった。また、著しい循環系反応を誘発したMRSA株を用いて、その上清、菌体成分のいずれが循環反応をきたす主因であるかを検討したところ、心血管反応は上清成分で誘発されるものであった。本研究では全体としての生理学的反応様式は黄色ブドウ球菌でもエンドトキシンの場合と同じように作動している可能性を示し、その責任要素は細菌外成分に存在する可能性と、細菌の変異性を発現する環境要因として細菌培養液の組成状況の変化や死滅形態を考慮する必要性を指摘した。
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