研究課題/領域番号 |
07408027
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
斉藤 宗雄 財団法人実験動物中央研究所, 部長 (50167417)
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研究分担者 |
伊藤 豊志雄 財団法人実験動物中央研究所, 動物医学, 室長 (20106644)
若菜 茂晴 財団法人実験動物中央研究所, 遺伝学, 室長代 (90192434)
日置 恭司 財団法人実験動物中央研究所, 飼育技術, 室長 (80208735)
野村 達次 財団法人実験動物中央研究所, 医学, 所長 (10072399)
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キーワード | トランスジェニックマウス / Tg動物の実験動物化 / c-Hrasマウスの生産 / TgPVRマウスの生産 |
研究概要 |
本研究は、TgrasH2、TgPVR21、p53、 KOマウスおよびレニン・アンギオテシノーゲンTgマウス・ラット等の遺伝子操作動物に、実験動物学研究者とユーザーである医学・創薬研究者との共同により、その動物に適応した計画生産および動物実験システムを開発し、バイオサイエンスの為の合目的なモデル動物を確立する。 計画生産では、ヒト・プロト型c-Ha-ras遺伝子導入マウスCB6F1-TgrasH2およびポリオウイルスレセプター遺伝子導入マウスIQI-TgPVR21について確立した。前者のTgrasH2マウスはホモ個体が得られなく、ヘテロ個体においても交配での繁殖性が低いことから、C57BL/6J-TgrasH2ヘテロ型オスとBALB/cByJメスとの体外受精によって得られた2細胞期胚を凍結保存によって維持しておき、必要に応じて、この凍結胚を融解し、仮親に移植する方式で、月200匹(TgrasH2)の生産が行われた。また、後者のTgPVR21マウスは前者と異なりホモ型個体が得られ、交配での繁殖能があることから、IQI-TgPVR21ホモ型オス1群(16匹)とIQIメス8群(8群×16匹=128匹)とのロ-テーション交配方式によって、週120匹(TgPVR21)生産が行われた。これらを動物実験システム開発研究に供給した。 動物実験系の開発はTgrasH2マウスについては、発がん性の有無が明らかになっている化学物質を中心に、26週間にわたる発がん試験を実施した。その結果、現在までに得られた知見によりTgrasH2は、短期発がん試験法開発の上で有力なモデルになりうることが示唆された。また、TgPVR21マウスについては、複数の生ポリオワクチン由来株による脊髄内接種試験を実施した。その結果、PD50と従来のサルでの神経毒力試験成績の間に有意な相関がえられた。従って臨床症状のみをパラメーターとしても神経毒力は評価でき、TgPVR21マウスは神経毒力試験に十分使用可能であると結論された。
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