研究分担者 |
河瀬 正利 広島大学, 文学部, 助教授 (30093743)
大谷 修司 島根大学, 教育学部, 助教授 (50185295)
瀬戸 浩二 島根大学, 総合理工学部, 助手 (60252897)
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 講師 (00226086)
竹広 文明 島根大学, 汽水域研究センター, 助手 (60252904)
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研究概要 |
中海・宍道湖の形成史調査:柱状採泥と音波探査,および朝酌川・大学構内遺跡の発掘・ボーリング調査から縄文時代以降の環境変遷史を復元するための地質学的な資料を得,各種分析を今回購入したCHNS分析装置を中心に行った。その結果,縄文時代から現在に至る古地理変化が明らかになった。 中海・宍道湖の生物学的調査:主に浮遊珪藻について中海・宍道湖の8地点において毎月1回の現地調査を行い,分類学的研究を行った。中海での珪藻類の優占種はこれまで本水域からは報告がなかったNeodelphines pelagicaであることが判明した。これまで優占種とされていたThalassionema nitzschiodesは出現頻度は低かった。中海・宍道湖では微小なCycllotella属をはじめとして種名の明きらかでない珪藻類がいまだに出現することから引き続き調査が必要である。 海底海食洞調査:島根半島竹島沖で,スキューバダイビングによって海食洞の詳細を明らかにした。海食洞は海底峰の頂部を中心に東西方向に3つ並び,トンネル状である。堆積物はほとんどなく,床部に削られたような溝が洞窟に平行に並んでいる。今回見られた海底海食洞は明らかに波食により形成されたものであり,形成年代あるいは形成された時の環境を知ることは今後の重要な課題である。 考古学調査:島根半島における海蝕洞窟を利用した人類遺跡の調査研究を美保関町サルガ鼻燈台洞窟遺跡の試掘調査を実施し,縄文時代洞窟遺跡であることを確認し,今後の調査に向けての資料を得た。 中国山地における鉄生産の歴史と汽水域・沿岸平野形成史の関係調査:中国山地たたらについて,たたらの成立及び発展の歴史的過程についての研究と出雲地方のたたらの地域的特色についての研究を実施した。
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