都市の家族と友人を含むインフォーマルなネットワークのうち、家族構成員の縮小化に加えて、成員の移動にともない家族に対する依存度が低下し、友人の占める位置がより大きくなった。まず、総ネットワーク数では、男性7.4人に対し、女性8.5人である。ネットワーク種類では、仕事関係で男性が女性を上回るものの、サークルや近隣は当然のことながら、学校時代の友人でも男性のネットワーク数は女性を下回っている。項目別には、最高齢層は学校、仕事、親戚のネットワーク数が少なく、他方サークルの友人が多い。加齢に伴うネットワークの減少で特徴的なのは、学校である。性別同質性はより顕著であり、男女ともに同性の友人は約9割が1人以上もっているのに対し、異性の友人については、男性では51.3%、女性では54.9%が持っていない。 配偶者の有無によって安定度は異なっており、とくに無配偶になった高齢者の場合、親しい友人の有無が高齢者の満足度に大きく影響している。また、高学歴が満足度にも関係しており、学歴の高いものほど満足度が高い。 交際内容をみると、家を訪問しあう、気が合う、ときどき一緒に旅行をする、悩み事の相談をしたりされたりする、生活上の役に立つことをいろいろ教えてくれると続いている。これまでの研究はどちらかといえば、家族、親族、友人などの順位補償モデル(hierar-chical compensatory model)が支配的であった。しかし、現実には役割専門化モデル(task-specifity model)でフォーマルサービスとインフォーマルケアの役割は相互に補完すべきという主張がみられる。
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