研究課題/領域番号 |
07451104
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安岡 治子 東京大学, 教養学部, 助教授 (90210244)
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研究分担者 |
西中村 浩 東京大学, 教養学部, 助教授 (80218172)
浦 雅春 東京大学, 教養学部, 助教授 (20193956)
桑野 隆 東京大学, 教養学部, 教授 (90143677)
島田 陽 東京大学, 教養学部, 教授 (00092239)
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キーワード | ロシア / 思想 / 民族主義 / 宗教哲学 / スラヴ派 / 西欧派 / ユーラシア主義 |
研究概要 |
1.平成7年度春に科学研究費補助金の交付を受けて以来、平成8年2月までに計7回の研究会を開き、19世紀においてロシア保守的・民族的思想が西欧派との対決のなかでいかなる自己形成をし、さらに20世紀に入って新たなボリシェヴィズムの脅威のもとでどのような展開を見せたかを概観した。研究会の内訳は以下の通り。 (1)18世紀の標準語論争-ロシアの民族的自覚とロシア標準語の成立(桑野) (2)スラヴ派と西欧派(西中村) (3)スラヴ派と汎スラヴ主義(西中村、安岡) (4)チュッチェフなどロシア詩に現れたスラヴとロシア(島田) (5)「道標」とボリシェヴィズム(桑野、安岡) (6)「ナロードノスチ」と民族主義(島田) (7)19世紀ロシア社会の変化とジャーナリズムの変遷(浦) 2.上記の研究を進めるために、北海道大学スラヴ研究センターなどで積極的に関連資料の調査・収集を行うと同時に、関連専門分野の資料図書の購入を行った。 3.以上の結果、ロシアの民族的自覚の歴史的背景、その民族的自覚が言語や文学にもたらした多大の変化など、ロシア保守思想、民族主義的思想の理解に不可欠な歴史的視野を獲得することが可能になったばかりでなく、ロシア文化をより多角的に捉える総合的な視点が得られた。これらはロシア人のアイデンティティの問題を深く掘り下げ、現代のロシア文化を分析する上で有効な枠組みを提供した。
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