本研究は、統計的財務分析手法を援用することにより、財閥系企業の財務特性を析出し、財閥の「負」の成長要因の解析に挑戦しようとするものであり、当面はそのためのデータベースを作成することを目的とした。 具体的な資料として『株式年鑑』(株式会社野村商店調査部編纂、株式会社大阪屋商店調査部編纂、大正2年版〜昭和16年版)を利用し、それぞれに記載された「財務数値」をデータベース化した。ただし、各企業ごとに財務項目名が異なったため、当該時の財務諸表準則を参考にしながら財務項目の統一をはかったが、十分に完成させるには至っていない。 また各地の図書機関に散在する未公開の財閥系企業の財務データについては、新たに採取する余裕がなく、当初の予定を達成することが出来なかった。今後財閥系企業の財務データを採取し、それをデータベース化することにより、すでに完成しているデータと合体させ、さらに財務項目の統一を果たし、当初の目的を達成したい。
|