南半球のサンゴ海及びオーストラリアとニュージランドの周辺海域から採集された約3000個体を種分けし、さらに雌雄別、成長別に区分けした。このうちダルマガレイ属(Engyprosopon)、ヤツメダルマガレイ属(Tosarhombus)及びスミレガレイ属(Parabothus)について計測を完了し、コンピュータのデータベースに入力し、分析をおこなった。 1.ダルマガレイ属:ニュージランドのRaoul Island及びNorfolk Islandから得られた17個体の標本が未記載種であることが判明し、新種Engyprosopon raoulensisとして記載し、公表した。本種は雌雄とも短い胸鰭をもつこと、有孔側線鱗数が多いことなどの特徴で近縁種と区別できる。本種は吻棘有無、両眼間隔幅、無眼側の色素に顕著な雌雄差が発現することを明らかにした。両眼間隔幅の成長に伴う変化を雌雄別に明らかにした。この種は本属魚類の南限の記録である。 2.ヤツメダルマガレイ属:サンゴ海から3種の生息が確認された。そのうちT.neocaledonicus以外の2種は未記載種であり、新種として記載された。この中でこれら3種の雌雄差及び成長に伴う雌雄差の変化を明らかにした。 3.スミレガレイ属:サンゴ海から3種の生息が確認された。そのうちの1種は未記載種であり、新種として記載された。この中でこれら3種の雌雄差及び成長に伴う雌雄差の変化を明らかにした。 トサダルマガレイ属の3種及びスミレガレイ属の3種は論文にされ、目下MUSORSTOM Vol.20に投稿中である。
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