研究概要 |
1.解析:安定限界軸力の算定式を導出した.現在,引張試験,短柱圧縮試験により得られた材料の特性を用いて,許容部材角-安定限界軸力の関係を得る作業をしている.また,一定軸力下で定曲率曲げを受ける柱断面の弾塑性数値解析を行い,許容部材角-安定限界軸力を求め,安定限界軸力算定式との対応を検討している. 2.実験: 一定軸力下で繰返し水平力を載荷することの出来る実験装置を製作した. また,コンクリートの設計基準強度は300kg/cm^2,鋼管,鉄骨,鉄筋はそれぞれSTK400,SS400,SD295として,以下の試験体を製作した.試験体総数は72体(SRC柱24体,CFT柱36体,S柱12体)である. 断面:SRC柱(鉄骨比2種類)(10cm×10cm) コンクリート充填鋼管柱(角形鋼管□-100^*4.5,100^*3.2,100^*2.3,幅厚比22,31,43),角形鋼管柱(□-100^*3.2,幅厚比31) 実験変数は,下記の柱部材角と軸力比である. 柱部材角R(%):3種類(0.5,1,2%,単調載荷) 軸力:3種類(劣化がない軸力,劣化がある軸力,解析による安定限界軸力) 現在,実験結果の検討を行っている.軸力の大きさと繰返し水平変位振幅の大きさが,柱の劣化挙動に及ぼす影響は,想定した通りのものとなっている.解析との比較を行うとともに,次年度の実験とあわせて,安定した挙動の期待できる軸力比を提案する予定である.
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