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1996 年度 実績報告書

試料裏面からの表面状態分析法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07455333
研究機関京都大学

研究代表者

河合 潤  京都大学, 工学研究科, 助教授 (60191996)

研究分担者 田辺 晃生  京都大学, 工学研究科, 助手 (90026237)
朝木 善次郎  京都大学, 工学研究科, 教授 (90026005)
キーワード表面分析 / 非破壊分析 / 電圧を発生する部分,絶縁体,真空の3条件がそろえば,このような帯電によるX線を発生させる事ができる.従って,小型の電圧発生部を工夫すれば,小型のX線発生装置を作る事ができる.一方で,真空をやぶれば,X線発生は止まるので安全である.放射性同位元素のように法的規制を受けず,しかも,被曝する危険や,廃棄の点で利便性のある放射線源としての応用の可能性もある.
研究概要

金属の針電極(-)と板状電極(+)を数ミリメートル離して,10^<-5>Torr程度の真空中にいれ,3000Vの直流電圧を加えると,そのままでは何も起こらないが,この真空中でフィラメントに一旦電流を流して電子を供給すると,金属針先の仕事関数が低下し,針先から連続的に電子が放射され,+電極に衝突してX線を発生させる事を発見した.従来電界放射を生じさせるためには,高電圧を針状電極にかける場合が多かったが,今回の発見のようにわずかの電子を初めに供給する事によって,3000Vという比較的低い電圧でも,安定した電界放射を生じさせることが分かった.本方法によって発生した電子線を用いて,+極に未知物質を置く事により,特性X線発光現象を利用した元素分析が行なえる可能性が示された.
一方,絶縁体を上述の電極の間に挟み3000Vの電圧を加えると,3×10^<-2>Torrから4×10^<-2>Torrという非常に狭い範囲の真空度でのみ絶縁体表面からX線を発生することを発見した.実験は真空中容器に,錠剤状にした食塩を入れ,電圧をかけた.真空は10^<-6>Torrから大気圧まで変化させ,食塩のかわりにガラスや金属酸化物などを用いたり,真空中の残留ガスは空気・窒素・アルゴンなどに変えたが,X線はこれらの条件にはあまり影響されず,上述の圧力範囲の真空度でのみX線の発生が測定できた.電子・イオン・プラズマなどが,電極や絶縁物表面に衝突してX線を発生させていると考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Hayashi,S.Kawato,J.Kawai: "Photoelectron spectra enhanced by x-ray total reflection and diffraction from periodic multilayer" Appl.Phys.Lett.68(14). 1921-1923 (1996)

  • [文献書誌] 河合潤,北島義典,朝木善次郎: "亜鉛流動焙焼炉焼鉱の硫黄の化学状態" X線分析の進歩. 27. 235-244 (1996)

  • [文献書誌] J.Kawai,K.Maeda,N.Sakauchi,I.Konishi: "Strong x-ray emission due to electrification" Nucl.Instrum.Methods Phys.Res.B109/110. 206-208 (1996)

  • [文献書誌] 田辺晃生,溝口将康,朝木善次郎: "還元拡散法におけるCe-Fe系金属間化合物の生成機構" 資源と素材. 112. 487-490 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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