研究課題/領域番号 |
07457034
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脊山 洋右 東京大学, 医学部(医), 教授 (90010082)
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研究分担者 |
加納 和孝 東京大学, 医学部(医), 助手 (70111507)
久保田 俊一郎 東京大学, 医学部(医), 助教授 (00260480)
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キーワード | 脳腱黄色腫症 / CTX / PCR-SSCP法 / 遺伝子解析 / ステロール27位水酸化酵素 |
研究概要 |
脳腱黄色腫症(CTX)は脳やアキレス腱などの黄色腫のほかに小脳症状、錐体路症状、白内障、痴呆などの症状があらわれる先天性脂質代謝異常症であり、ステロール27位水酸化酵素の遺伝子異常によるコレスタノールの蓄積が病因でると考えられている。我々は全身の黄色腫を主訴とする新しい患者1例の生化学的解析及び遺伝子解析を行なった。患者は44歳の男性で12歳より黄色腫が出現したが、小脳症状、白内障等の症状は認められていない。血清コレスタノール/コレステロール比が高く(1.30%:正常平均0.16±0.05%(n=17))、ステロール27位水酸化酵素活性が検出限界以下であることから、CTXと診断された。そこで、突然変異の存在をスクリーニングする方法であるNon-RI-PCR-SSCP法をステロール27位水酸化酵素遺伝子の解析に適用することを試みた。Non-RI-PCR-SSCP法は、PCR産物を熱処理して一本鎖に変性し、ポリアクリルアミド電気泳動で分離し、塩基配列が一塩基でも異なっていればPCR産物が別の高次構造をとって泳動における移動度が大きく変化することを利用したものである。まず、患者のステロール27位水酸化酵素遺伝子の9個のアクソンを、各々のエクソン-イントロン間のスプライシングジャンクション部位も含めてPCR法にて増幅し、PCR産物を95℃5分間で熱処理して一本鎖に変性し、200V4時間30分間の条件にてポリアクリルアミド電気泳動で分離した。正常のPCR産物との移動度の違いから、エクソン7及びその近傍に変異が存在していることが示唆された。そこでエクソン7の塩基配列を調べ、397番のVal(GTG)がGly(GGT)に変わる2塩基置換点突然変異を見いだした。現在、この患者の父母を含めて家族解析を行なっている。
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