研究課題/領域番号 |
07457252
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 満一 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162160)
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研究分担者 |
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
金 俊雄 大阪大学, 医学部, 助手 (50205051)
門田 守人 大阪大学, 医学部, 教授 (00127309)
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キーワード | 異種移植 / 膵島移植 / 接着分子 / 抗原認識 / LFA-1 / ICAM-1 / 細胞接着 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
異種細胞移植拒絶反応に関わる抗原提示様式を明らかにし、それに関わる分子群を同定し、免疫不応答を誘導することが本研究の目的である。既にラットからマウスへの異種膵島移植の系において、抗マウスLFA-1抗体十分量(0.1mg/mouse x 2)の投与においては著明な生着延長効果が得られること、抗マウスLFA-1抗体半量投与においては抗ラットICAM-1抗体を併用することによって著明な生着延長が得られることを明らかにしている。今回、ドナー接着分子の異種拒絶反応に関わる機構をin vitroの系で検討した。ラット膵細胞をstimulator、マウス脾細胞をresponderとした異種リンパ球混合培養(MLC)において、種特異的に反応する抗マウスLFA-1、ICAM-1抗体、抗ラットLFA-1、ICAM-1抗体による増殖抑制効果を検討したところ、各々抗体は有意な抑制効果を示したが、中でも抗マウスLFA-1抗体の効果は著明で、15μg/mlの濃度でほぼ同系のMLC反応のレベルにまで抑えた。一方、抗マウスLFA-1抗体1.5μg/mlの存在下では抗ラットICAM-1抗体の併用投与によりさらに有意な増殖抑制効果が得られた。これら事実はin vivoの実験結果とよく相関し、ラット細胞からマウス細胞への直接的な抗原提示様式の存在を示すものと考えられた。その仮説を確かめるために、各々の系の脾細胞をナイロンウ-ルカラムによりT細胞と抗原提示細胞分画にわけ、再度MLCを施行したところ、ラットの抗原提示細胞に依存したマウスT細胞の増殖反応性が確認された。さらに、純化したラットICAM-1分子とマウスT細胞のLFA-1分子を介した直接結合が確認された。すなわち種を越えて接着分子の結合は可能で、しかもこの結合は異種拒絶反応において重要な役割をもつことを明らかにした。
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