研究課題/領域番号 |
07457280
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
熊田 馨 昭和大学, 医学部, 教授 (00025602)
|
研究分担者 |
反町 典子 東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (30217468)
山口 真彦 昭和大学, 医学部, 助手 (00266149)
|
キーワード | 門脈下大静脈再建 / 内皮下人工血管 / アデノウイルスベクター / 遺伝子導入 / インスリン / 再潅流障害 / 接着分子 / ヘパリン様グリコサミノグリカン |
研究概要 |
肝胆膵腫瘍外科における血管合併切除、血行再建に関して、イヌの門脈、下大静脈に挿入した各種代用血管およびその内皮化の有用性を検討し、人工血管の内皮化に際し内皮へのインスリン遺伝子導入による血糖調節の可否を検討することが本研究の目的であるが、イヌ門脈、下大静脈のグラスト挿入モデルで、同種静脈、ePTFE、内皮下ePTFEそれぞれの開存性を検討したところ、3ケ月間では有意差は認められなかった。この検討はその後も継続中である。 なお門脈再建ではその成績を左右する遮断に伴う再潅流障害についても検討した。即ちICAM-1など接着分子関与を明らかにし、セレクチンを介した接着に対するヘパリン様グリコサミノグリカンの阻害作用を示した。 アデノウイルスベクターにヒトプロインスリン遺伝子を組み入れ得たので、これを用いて、ヒト臍帯静脈内皮細胞に同遺伝子導入を行い、プロインスリンのm-RNA、蛋白の発現を確認した。また内皮細胞1個あたりの至適ウイルスベクター力価については20〜50plaque forming unit (PFU)/cellで発現蛋白が最大となり、余剰の投与はウイルスベクターによる細胞毒性増加を招くことが明らかとなった。現在はプロインスリン遺伝子を組み入れたアデノウイルスベクターでイヌ頚静脈内皮細胞にインスリン遺伝子を導入し、同内皮細胞を用いた内皮下ePTFEグラフトの門脈置換の効果を検討中である。
|