研究課題/領域番号 |
07457283
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
角田 司 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00110841)
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研究分担者 |
村上 正和 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20278964)
岩本 末治 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60168599)
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キーワード | islet cell transplantation / c-AMP / adenylate cyclase activity / islet cell viability / UW solution / Hanks solution |
研究概要 |
体重250-350グラムの雄Lewis Ratより膵ラ島をcollagenase消化法と濃度勾配遠沈法を用いて収集した。一匹のラットから得られた直径約200±10umのラ島を20個取り出し、Hanks solutionあるいはUW solution (4℃ cold storage)に保存した。ラ島のc-AMP値を、3、24、48、96時間後に測定するとともに移植1週間後のラットの血糖値を比較した。膵ラ島のホルモン分泌機構に関与しているc-AMP値の測定には、我々が開発した5つのstepよりなる酵素反応を用いてNADPHに変換することによって、分光蛍光光度計による測定を可能とした。Forskolinによりラ島のインスリン分泌を刺激した群(stimulated group)とコントロール群として刺激しない群(basal group)の2つに分けて、機能を評価した。ラ島をUW solutionに保存した場合のc-AMP値(fmol/min/islet)は、stimulated groupでは持続的に高値を示し(3時間:29.0±2.1、24時間:23.0±3.1)、48時間後に低下し始め(21.0±2.7)、96時間後には11.1±1.0と有意に低下した。また、basal groupでは、3時間:4.5±1.1、24時間:4.1±1.6、48時間:3.0±1.0、96時間:1.6±1.2と低値であった。一方、Hanks solutionに3時間保存した場合では、stimulated groupで15.0±1.6(basal group : 8.6±1.0)で、以後持続的に低値であった。ラ島をUW solutionに保存することによってインスリン分泌能が高められ、また移植前のc-AMP値が高いほど移植後の血糖コントロールは良好で、移植1週間後の血糖値には相関関係を認めた。移植前にc-AMP値を測定することによって術後の血糖levelの予測が可能である。移植前のc-AMP値の評価はラ島機能評価の有用なマーカーとなりうる。
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