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1995 年度 実績報告書

妊娠および産辱におけるサイトカインを介する骨量減少機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457382
研究種目

一般研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

福岡 秀興  東京大学, 医学部(医), 助教授 (80111540)

キーワードエストロゲン / 妊娠性骨粗鬆症 / サイトカイン / 末梢血単球
研究概要

「エストロゲン・ドグマ」と言われるように、エストロゲンは骨代謝を強く支配しており、女性に対しては一生を通じて骨保護作用を示す。妊娠中は高エストロゲン血症にあるので妊娠中には骨は保護され、骨吸収は抑制されており、産褥では、低エストロゲン血症に加えて高プロラクチン血症にあるので、骨吸収の促進が起こっていると想定されている。しかし、我々のこれまでの予備的な解析ではあるが、逆に妊娠中に骨吸収が促進され、産褥はむしろ骨吸収は抑制された状態になっていることが明らかとなった。非妊時で骨吸収が亢進している時は、末梢血単球よりのサイトカイン(IL-1,IL-6,TNF-α等)の分泌が亢進しており、エストロゲンを投与するとサイトカインの分泌減少がおこり骨吸収が抑制されることが見いだされている。妊娠中の骨吸収の亢進状態では、エストロゲンが高濃度にあるにも関わらずサイトカインの分泌亢進があることを見いだした。即ち妊娠中は高エストロゲン状態にあるにも関わらずサイトカインの過剰分泌が生じて骨吸収がおこっているのである。極めてパラドキシカルな現象と言うべきである。
今年度は、正常な妊婦・辱婦を対象としてインフォームドコンセントを得て骨代謝マーカーの推移と共に、抹消血探求よりのサイトカイン分泌量を正確に測定した。その結果我々の得た予備的な解析結果がほぼ正しいとの結果を得た。次年度はその高エストロゲン状態での抹消血単球のサイトカイン過剰分泌機構を研究する予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 福岡秀興,春名めぐみ: "妊娠における骨カルシウム代謝." 母性衛生. 36. 25-29 (1995)

  • [文献書誌] H. Fukuoka, M. Higurashi: "Short-term oral administration effect of danazol and estrogens on the von Willebrand factor." Jpn J. Fertil. Steril. 40. 220-224 (1995)

  • [文献書誌] 福岡秀興, 他: "PTHrP産生卵巣癌治療に伴う骨代謝マーカーの推移" 日産婦学会東京会誌. 43. 67-71 (1995)

  • [文献書誌] 福岡秀興.: "母子の健康とカルシウム" 女性のためのこつこつ講座. 2. 6-9 (1995)

  • [文献書誌] 福岡秀興: "妊娠母体の特殊なカルシウム代謝調節機構" 医学のあゆみ. (印刷中).

  • [文献書誌] 春名めぐみ、福岡秀興: "骨代謝マーカーによる妊娠・産褥期の骨代謝動態に関する検討" 体力研究. (印刷中).

  • [文献書誌] Fukuoka H, Haruna M, Nishimura Y,: "Metabolic turnover of bone and calcium homeostasis dureing short-term immobilization." Acta Physiol Scand. (in press).

  • [文献書誌] Ishizaki Y, Fukuoka H, Ishizaki T: "An Investigation of psychological stress due to bed rest." Acta Physiol Scand. (in press).

  • [文献書誌] 福岡秀興,日暮真: "和田,大久保,永田,矢崎編集「日常診療における患者指導ガイド」適切な育児指導の進め方" 文光堂(東京), 99-105 (1994)

  • [文献書誌] 福岡秀興: "高久史麿,浦部晶夫監修「MR教育研修テキスト基礎学術4疫病と治療」女性性器,妊産婦疾患" ミクス(東京), 345-380 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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