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1996 年度 実績報告書

網膜芽細胞腫に対する新しい治療法および予防法の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07457414
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

酒井 敏行  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20186993)

キーワード網膜芽細胞腫 / RB遺伝子 / プロモーター / ATF / ATF-1 / 癌抑制遺伝子 / 筋細胞 / 分化
研究概要

RB 遺伝子プロモーター抑制因子の同定
網膜芽細胞腫遺伝子(RB)の失活により網膜芽細胞腫は発生する訳であるが、その失活の機序としてRB遺伝子のプロモーター領域の当然変異や異常メチル化が重要であることを示してきた。このような場合にはRB遺伝子産物であるRBタンパク自体は正常であり、量が減少しているために網膜芽細胞腫に罹患することになる。したがって、脱癌を試みるとすれば低下しているRB遺伝子プロモーター活性を再び増強させるか、少量ながら残存しているRBタンパクを活性化するかであろう。そこで私達はRB遺伝子プロモーターを調節する因子を検討する目的で、RB遺伝子プロモーター活性が著明に増強する系を検索した。その結果、マウス筋細胞の分化時にRB遺伝子プロモーターが著明に増強することが見いだされた。そこで、その活性化に重要な部位が同定するために、種々の突然変異をRB遺伝子プロモーターに導入したプラスミドを多く作成することにより、分化に反応するRB遺伝子プロモーター部位を決定した。その結果、ATFという転写因子の結合部位が重要であることが判明した。ゲルシフトアッセイなどを用いて子細に検討した結果、未分化時にはATF-1が抑制的に働き、分化時にATF-1が減少するために、抑制が解除されプロモーター活性が増強することが明らかとなった。
この研究の意義及び今後の可能性
RB遺伝子プロモーターを活性化させる上において先ず、その活性化部位を同定することは極めて重要である。今回、ATF結合部位に対してATF-1が抑制的に働くことが見いだされたことは、今後ATF-1に対する抑制因子がRB遺伝子プロモーター活性の増強因子として有用であることを示唆し、興味深い。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Okuyama, Y. ,et al.: "ATF site of human RB gene promoter is a responsive element of myogenic differentiation" FEBS Letters. 397. 219-224 (1996)

  • [文献書誌] Ohtani-Fujita, N. ,et al.: "Hypermethylation in the retinoblastoma gene is associated with unilateral, sporadic retinoblastoma" Cancer Genetics and Cytogenetics. (印刷中).

  • [文献書誌] Matsukawa, Y. ,et al.: "Effects of quercetin and/or restraint stress on formation of aberrant crypt foci induced by azoxymethane in rat colons" Oncology. (印刷中).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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