研究分担者 |
鎌田 進 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設放射光測定器研究系, 教授 (70100815)
川久保 忠通 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第1研究系, 教授 (70044774)
中西 弘 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第2研究系, 助教授 (00044769)
中島 一久 高エネルギー物理学研究所, 加速器研究部加速器第3研究系, 助教授 (80164177)
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研究概要 |
電子ビームとして,東京大学工学部原子力工学研究施設の電子線形加速器を用いることとなり,レーザを同施設に転移・設営し,調整した.レーザ出力2TW,パルス幅100フェムト秒を得ており,このレーザの性能はlaser focus誌でも紹介された.現在レーザ室から線形加速器室までのレーザのビームラインを建設中である.また平行して,このレーザによるプラズマ生成の実験を行っている. レーザによる加速および放射光発生に共通した問題点は,レーザの有効に使える範囲がレーザの焦点深度,いわゆるレイリー長に限られることである.レーザのパワー密度を上げようとして,焦点を絞れば絞るほど,この焦点深度は深くなる.この問題を解決するのがレーザの光導波路である.この現象も我々の装置において観測されている. また,レーザ励起プラズマ航跡場でアンジュレータを構成した場合の放射光強度を計算した.電子加速中にプラズマ航跡場の集群作用により電子のバンチ長が放射光波長に近づき,この結果コヒーレントな放射光が得られること;高密度プラズマ中では「水の窓」領域でSPRing8等の大型放射光施設に匹敵するピークブリリアンスが得られること;発振して自由電子レーザ化する可能性があること;などが明らかになった.またプラズマを用いなくとも,レーザの電場により電子軌道を蛇行させることが可能で,このレーザアンジュレータでは,より短波長のX線が幅フェムト秒台のパルス列として得られれことも示した.
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