研究概要 |
本研究の目的は、授業設計支援システムの開発を前提にした教授方略・方策に関する知識抽出のための対話システムの実現にある。特に、教師の教授方略・方策に関する経験則を抽出するための柔軟なインタフェースの構築が主たる目的とされる。目的を遂行するために、本年度は以下のような研究をおこなった。 (1)教授方略・方策の分析 教授方略・方策に関する資料、教師の授業の記録、資料などを収集・分析し、そこから教授方略・方策を構成する本質的な要素を抽出した。 (2)教授方略・方策のルールベース化 教授方略・方策を記述するための表現形式を検討し、if-then型のルール形式で表現した。 (3)知識抽出のための対話モデルの設計 上記(1),(2)により表現された知識を抽出するために必要な教師との対話をモデル化した。具体的には、教師との対話とそれにより抽出される知識の関連づけをおこなった。 (4)対話システムとインタフェースの設計 上記(1),(2),(3)により表現された教授方略・方策に関するルール、提案した対話モデルなどに基づいて、対話システムとインタフェースの設計をおこなった。 現段階では、知識抽出のための対話モデルの設計が十分でなかったために十分な知識を抽出するには至っていない。そのため、対話モデルの精緻化をおこなっている。また、システム構築に関してはグラフィカルなユーザインタフェースの設計をおこなったが、やわらかい対話を実現できる振舞いまでには至っていない。
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