• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

労働市場の規制の実態と市場機能への影響-規制緩和は何をもたらすか-

研究課題

研究課題/領域番号 07459022
研究種目

一般研究(B)

研究機関慶応義塾大学

研究代表者

佐野 陽子  慶應義塾大学, 商学部, 教授 (10051210)

研究分担者 早見 均  慶應義塾大学, 産業研究所, 助教授 (10218612)
守島 基博  慶應義塾大学, 総合政策学部, 助教授 (60230116)
清家 篤  慶應義塾大学, 商学部, 教授 (50137981)
宮本 安美  慶應義塾大学, 産業研究所, 教授 (50051181)
石田 英夫  慶應義塾大学, 経営管理研究科, 教授 (00051300)
キーワード職業安定法 / 労働基準法 / 職業安定所 / 女子保護規定 / 人材派遣法 / 労働契約 / 裁量労働 / 職業紹介
研究概要

労働市場の規制緩和の諸問題について研究会議を重ねた結果、つぎのような知見を得た。
1.経済分析の視点から
日本の法律は労働者を解雇しやすいが、解雇権濫用法理という判例も確立している。また、労働市場の柔軟性にかんしては、数量的柔軟性は高いが、金銭的柔軟性はボーナス等で高く年功賃金制で低くなっている。今後は、退職金制度など、流動化を妨げる制度の見直しが必要となるとともに、労働者の交渉力確保のための枠組みをさらに充実する必要がある。
2.労働組合の立場から
労働市場の流動化を前提とした場合、労働者をサポートする規制は強化する必要がある。しかし、パートの労働組合化など難問が多い。
3.経営者の立場から
職業安定法は問題が多い(とくに派遣事業など)。労働基準法の最低賃金、労働時間、女子保護基底も撤廃すべきである。しかし、規制緩和は雇用増につながるとは限らない。むしろ、制度の変更やこれからの働き方の意識づくりも重要である。
4、民間人材関係企業の立場から
職業安定所はホワイトカラーの細かいニーズを満たしていない。ミスマッチを解消するには、首都圏と地方で実態が異なることや、伝統的価値観が変わり難いことに留意する必要がある。今後は、人材ビジネスのコスト負担のあり方や職務遂行能力の判断が重要課題となる。
5.労働法学の視点から
「労働契約期間の上限の見直し」、「裁量労働制の対象業務の拡大」、「変形労働時間制」、「民事紛争処理のための新行政機関の設置」が、現在論議されている課題である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 佐野陽子: "大企業における人的資源管理パターンの変化と変わり難い年功型賃金システム" 三田商学研究. 36巻1号. (1993)

  • [文献書誌] 佐野陽子: "21世紀,クリエ-ティブでなければ生きていけない" 週刊エコノミスト. (1995)

  • [文献書誌] 石田英夫: "日本企業の研究者の人材管理" 慶応経営論集. 13巻2号. (1996)

  • [文献書誌] 石田英夫: "研究人材のマネジメントの現状と課題" 組織行動研究(慶応大学産業研究所). No. 26. (1996)

  • [文献書誌] 金子晃: "消費者問題からみた公正取引保護" 法律時報. 66巻4号. (1994)

  • [文献書誌] 金子晃: "規制緩和と独占禁止法" ジュリスト. 1048号. (1994)

  • [文献書誌] 守島基博: "日本の人的資源管理と組織" 組織科学. 27巻1号. (1993)

  • [文献書誌] 清家篤: "雇用と行方と労働行政の課題" 労働時報. 49号. 12-15 (1996)

  • [文献書誌] 清家篤: "貢献・能力要素の比重増大 個別賃金決定のルール他を" 週刊エコノミスト. 3211号. 59-62 (1996)

  • [文献書誌] 樋口美雄: "新しい雇用システムの確立を急げ" エコノミスト. (1992)

  • [文献書誌] 早見均: "市場開放の経済効果-平均費用関数の推定-" 日本経済研究. (1996)

  • [文献書誌] 宮本,安美: "労使関係の国際摩擦" 法学研究. 65巻12号. (1992)

  • [文献書誌] 佐野陽子: "ホワイトカラーのキャリア管理(共編著)" 中央経済社, 187 (1993)

  • [文献書誌] 石田英夫: "国際人事(編著)" 中央経済社, 215 (1994)

  • [文献書誌] 樋口美雄: "労働経済学" 東洋経済新報社, 368 (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi