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1997 年度 実績報告書

動的立体視機能計測システムの試作

研究課題

研究課題/領域番号 07551003
研究機関京都大学

研究代表者

乾 敏郎  京都大学, 文学研究科, 教授 (30107015)

研究分担者 小林 哲夫  株式会社イナミ, 開発室研究員
林 武文  関西大学, 総合情報学部, 助教授 (90268326)
可児 一孝  滋賀医科大学, 教授 (60068476)
キーワード立体視 / バーチュアルリアリティ / ヘッドマウントディスプレイ / 情報統合 / 運動視差 / 両眼視差
研究概要

これまでのテクスチャからの形状復元のモデルは一様性などのテクスチャについての限定的な仮定を用いて形状の復元をしていた。しかし、実際の我々を囲む環境ではテクスチャが常にそのような仮定を満たしているわけではない。このことを考慮してベイズ推定の立場からつぎのようなモデルを新たに提案した(梅村、乾:1997)。事前知識について具体的に述べると、形状に関して「面は滑らかに変化する」、表面に関して「テクスチャ要素(テクセル)の密度は面上で一様である」、「個々のテクセルの扁平率(縦横比)は面上で同じである」などが考えられる。ここで表面に関しての2つの事前知識は別の属性と考えられるので更にP(テクスチャ表面)=P(密度)P(扁平率)と書ける。このように形状、表面、画像の3つを最も満足する構造が知覚されているとする。また、このモデルはテクスチャに関する仮定自体を確率的に取り込んでいるので結果的に信頼度の低いテクスチャ手がかりの影響が小さくなるように振る舞う。また、十河、乾(1997)は、運動指令と眼球制御系の順モデルを用いて、網膜座標系表現から眼球座標系表現への変換を行う方法を検討した。誤差逆伝播法を用いて、三層のフィールドフォワードネットワークに眼球運動系の順モデルを獲得させた。入力は1)網膜座標系で表現された視標の位置、2)遂行しようとしている眼球運動指令とした。また出力は、入力された眼球運動指令が遂行された後の眼球位置における視標位置の網膜座標表現とした。これによりLIP野(Lateral Intraparietal Area)の神経細胞活動記録をシミュレーションできた。また、運動指令が実際の眼球運動より速くネットワークへ入力されるので、この出力層素子は眼球運動後の網膜座標表現を予測しているように見える。実際にLIP野で眼球運動の約70msec前から予備的な応答を示す神経細胞の存在が報告されているが、この時刻はLIP野の眼球運動応答細胞が活性化される時刻とほぼ一致する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 川村春美, 乾 敏郎, 鈴木 智, 徳永 幸生: "カラー画像における灰色仮説の適用条件と照明光の推定" 電子情報通信学会論文誌. J.80-D-II. 1046-1056 (1997)

  • [文献書誌] 朝倉暢彦, 乾 敏郎: "立体視力の神経生理学的機構" 電子情報通信学会技術研究報告. HIP97-1. 1-7 (1997)

  • [文献書誌] 林 武文, 乾 敏郎: "運動視差による面構成課程の心理物理学的検討" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU97-167, HIP97-26. 115-122 (1997)

  • [文献書誌] 林 武文, 本郷節之, 曽根原登: "脳・神経システムの数理モデル" 視覚の計算論モデル 臼井 支朗編、共立出版社. 126-142 (1997)

  • [文献書誌] 梅村 浩之, 乾 敏郎: "単眼視における3次元形状とテクスチャの構造の復元" 日本心理学会第61回発表論文集. 504 (1997)

  • [文献書誌] 西田保裕, 村田豊隆, 可児一孝: "ヘッドマウントディスプレイを用いたヘス・コ-ジメーターの試作" 日本弱視斜視学会報. 34. 58 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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