| 研究概要 |
本研究は,長周期微動利用の地下深部構造探査法の実用化に必要な1)観測データ処理のための各種基本プログラムの整備,2)基本プログラムの使用環境を設定するための操作性が容易で簡便な現場解析ソフト及びそのソフトを効率的,系統的に動作させる現場解析システムの開発等を行うこと,3)これらのソフトとシステムの実用化のためのテストフィールドでの実験,4)テストフィールドで得られた各観測アレイ直下の地下構造を現場解析システムに移植し,一調査域で得た多数の地下構造結果を結合するための総合化ソフトの開発,等を行うことを目的とする.
本年度は1)については,(1)アレイ観測点の座標計算,(2)パワースペクトル及びクロススペクトル推定のプログラムを整備,微動から表面波検出用の(3)周波数・波数スペクトルの推定,(4)空間自己相関係数の推定,(5)それら推定量の位相速度への変換等のプログラムの整備,推定位相速度から地下構造を逆問題として解くための(6)インヴァージョン,(7)レイリー波及びラブ波の理論分散曲線計算のプログラムの整備,等を行った.2)について各種プログラムの動作環境設定のための現場解析システムの開発,そのシステムのパソコンへの組み込み,等を行った.なお,これらのソフト及びシステムをWindows3.1で管理・操作するためのシステム設計・システム用プログラムについては専門家に委託し,作成した.3)については,平成7年8月26日〜30日の5日間,苫小牧及び鵡川における5地点で微動観測を実施.得られたデータを従来の方式で処理・解析する一方,本年度研究計画の達成度をみるために,同じ観測データにより,実験室で現位置における処理・解析の模擬実験を試み,本年度整備したプログラム,解システム,解析ソフト等は,計画通り,従来方式の処理・解析と同等に機能するという良好な結果を得た.
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