研究概要 |
多孔体として液相法で合成したシリカアルコゲルを用い、超臨界二酸化炭素により乾燥実験を行い以下の知見を得た。 異なる大きさの試料を用いて、様々な条件(温度,圧力、CO_2流量,減圧速度等)で実験を行うことで最適な操作条件について研究し、またゲル試料に損傷を及ぼす原因について検討を行った。この結果、昇圧,加熱,流通,減圧での各段階における最適操作条件が明らかになった。また乾燥の際、あるいくつかの条件では溶媒相に現れる非平衡界面がゲルにクラックを発生させる原因となることが分かった。本研究ではこの界面領域が温度,圧力の操作条件によって界面領域の色の濃さに違いがあることを発見し、化学ポテンシャルを用いて理論的な相関に成功した。 操作圧力を増加させることによりゲルの乾燥時間を短縮できるが、温度については乾燥時間にあまり影響を及ぼさないことがわかった。また、試料の厚さを大きくすると、乾燥における全ての段階でそれぞれの操作時間が長くなることが分かった。 次に超臨界乾燥プロセスの途中で3種のmethylmethoxysilaneを用いてゲル表面のシラノール基の疎水化の検討を行った。まず疎水化剤+二酸化炭素系の相平衡を測定し、疎水化剤の添加量と実験条件を検討した。疎水化処理の効果を試料の水分吸着量を測定することで評価しところ、超臨界流体中で疎水化したエアロゲル試料は、液体中で疎水化処理を行った試料を超臨界乾燥したものに比べて高い疎水性を示した。
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