研究課題/領域番号 |
07557101
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
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研究分担者 |
柴田 政彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50216016)
高階 雅紀 大阪大学, 医学部・附属病院, 助手 (30221352)
真下 節 大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
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キーワード | キセノン / 吸入麻酔薬 / 笑気(亜酸化窒素) / 閉鎖回路 / 脳波 / 筋電図 |
研究概要 |
1)臨床使用のためのキセノン用閉鎖式麻酔機の試作:現有設備の閉鎖式麻酔機(ドレーゲル社シセロ)を改良してキセノン専用麻酔機を試作した。亜酸化窒素流量計をキセノンガス流量計(Drager,Germany)に置き換え、キセノン濃度計(Thermomat,Fuji Electric)を装着した。さらに、キセノンガス用ボンベを麻酔機外に装着した。今回の試作機にはガス回収装置は装着されなかった。現在、試作したキセノン用閉鎖式麻酔機を用いてキセノンの臨床試用を開始している。 2)キセノン麻酔における脳波および筋電図変化:7人の健康成人においてキセノン麻酔中の脳波(EEG)および顔面筋電図(EMG)の変化を亜酸化窒素麻酔と比較した。吸入麻酔薬濃度を0.33、0.5、0.66MACの順番に上げていき、各濃度で15分間の安定時間をおいてEEGとEMGを記録した。キセノンおよび笑気吸入によるEEG変化は両麻酔薬で同じような変化を示した。低MACではα波の出現頻度が減少し、吸入濃度が上昇するにつれてslow αやθ波がみられた。0.66MACの濃度でもδ波はほとんど観察されなかった。一方、キセノンおよび亜酸化窒素麻酔における特徴的な変化は笑いの出現で、顔面筋のEMGにより確認された。麻酔中の笑いの出現頻度は、キセノンおよび亜酸化窒素でそれぞれ2/7および5/7であった(両麻酔薬間には有意差なし)。笑いの出現したときのEEGパターンは覚醒時リズムより3-4HZ遅いslow αやθ波のrhythmic burstであった。
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